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トカチニッチ

気づきにくい十勝を発信する。トカチニッチ

贅沢十勝

とかちみっち

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 十勝出身のわたしは、もしかすると他の人と比べて損をしているのだろうか——海外を旅していて、そんなことを何度か思った。

 特にそれを意識したのが、ワーキングホリデーを利用して訪れたオーストラリアのタスマニアで、向こうで知り合った日本人五人の友人と農作業に精を出しているときだった。彼らはそれぞれ、広島、沖縄、兵庫、和歌山、愛知の出身で、年代もさまざまな一団だった。

「もうちょっとで着くよー」

 移動する六人を乗せたボルボのハンドルを握る広島出身のムサシが、車内に声をかけた。まだ暗いうちから出発していたこともあり、我々は眠い目をこすりながら、狭い車内で身体を伸ばした。

 その日、わたしたちに与えられた仕事は、市街地から車で30分ほど離れたところにあるカボチャ畑の収穫だった。オーストラリアの広い大地をこれまでに55万キロほど走行したという中古のボルボが、まだ朝露の残る畑に到着すると、先ほどまでの眠気が嘘のように、皆が外を見ながら歓声をあげた。車が止まるやいなや、すぐさま降りて畑に向かい、彼らは自然と横一列に並んだ。腰に手を当てたり、腕を組んだりしながら、景色を眺めて嘆息をもらす。プロカメラマンのムサシは、「いいね、いいねー」と喜びながら、その風景を何枚も何枚も写真に収めていた。

 広大な畑の遠く向こうに、山脈がどこまでも横たわっていた。遮るもののない澄んだ青空が大きく広がり、鳥が優雅に浮遊するそのどこかから、風が柔らかく爽やかな朝を運んでいた。

「いいね」

「いい」

「なんてきれいなんだ」

「自然美ってこれだね」

「オーストラリアに来てよかったわー」

 それぞれに感動を口にする。最高だという感情が、その言葉に強くこもっていた。

 そんな、胸を弾ませている皆の後ろで、わたしはひとり腕を組みながら違うことを考えていた。

 そうか、これがそんなに感動する景色なのか——と。

 十勝にある実家から車で三分も走ると、住宅街を抜け、こんな風光に出会えるからだ。生まれてから大人になるまで、当たり前のように目にし、日常として時を過ごした空間だった。

 そうか、これがそんなに人の心を動かすのか——。

 確かに、自然景観が好きなわたしも、いい風景だと感じる眺めではあった。しかし、彼らのように心から息が漏れるような情感はわいてこなかった。

 おいしいものに慣れてしまい、豪勢な食事に鈍感になっているのと似ているのかもしれない。気付かぬうちに、特別な景色を当たり前のものと認識し、感謝する気持ちを忘れていたのかもしれない。

 十勝は贅沢なところだったのだ——。

 あの日、わたしは、タスマニアの美しい自然に感動する彼らの姿を見ながら、自分の地元を想い、改めて、十勝は世界に胸を張れる格別な地域なのだと感動したのだった。






 さて、それではここで問題です。
 いま見ていただいた最後の三枚の写真のうち、一枚は海外でした。
 見返さずにどれだったか予想してください。





正解

 最後の一枚「清水町」
 最後から二番目「ニュージーランド」
 最後から三番目「音更町」


 ちなみに「贅沢十勝」という題名のところの写真は、芽室町です。
 自然美バンザイ!

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