DIY(Do It Yourself)で作ろうと思う。
強度や確保できる資材等の条件を盛り込んでいくと、設計図に何度も手直しが入り当初予定していたものとは少しずつ形が変わっていった。
悩みに悩んだ設置場所も、当初は家屋にくっ付けるイメージで計画していたが、庭の花壇を縮小することで解決へ導かれた。
『さぁ始めようか』
まずは風や雪でカヌーポートが倒れないように頑丈な「基礎」を製作。
モノ作りをお願いしたら絶対に断らない心優しき友・トダッチ(職業:土木関係)が応援に来てくれた。
私は彼が仕事をし易いように一生懸命サポートに徹する。
『コーヒーどうですか?』
『炭酸もありますが?』
『お昼は何バーガーがいいですか?』
当初、カヌーポートを作ったらそのまま直置きで良いと考えていたのだが、弟(職業:建築関係)から『絶対基礎入れた方が良い』とのアドバイスがあり地杭(ジグイ)という基礎を選択することにした。
凍結深度を考慮して900mmの地杭を弟が用意してくれたので、1,000mm(1m)の深さまで地面を掘ることになった。ザックリ言うとそこまで掘れば地面がシバれても安心ということらしい。
使用した道具は、剣先スコップ、アメスコ、ホーボー、ダンパー。(トダッチがそう呼んでたので正式名称はわからない)
力いっぱいスコップを地面に突き刺す…
『ガシッ…ガシッ…ガキンッ!!』
地中にある石に当たってスコップが跳ね返される。痛い。少しだけ角度を変えてまた突き刺す…
『ガシッ…ガシッ…ガキンッ!!』
痛い。
たとえ3cm四方の小さな小石でも正面からブツかれば、簡単に跳ね返されてしまう。
さらに掘った穴から土を引き上げる作業は、まるで筋トレだった。普段しない動きなのですぐに腕がプルプルし始める。頑張れ私。負けるな私。
掘り終わったら底面をダンパーで平らにして地杭を置く。少しずつ砂利、砂、土を戻して固め穴を塞ぐ。この間、地杭の位置と水平を常にキープしなくてはならない。少しでも油断するとすぐにズレてしまう。
たった四本のコンクリートの杭を埋めるだけで、こんなに大変な思いをするとは想像していなかった。「もう良いよ!テキトーで!」と何度も口に出そうになったが飲み込んだ。
たしか「たとえ片腕持ってかれても水平だけは絶対に守れ!」って狂虎(きょうこ)さんも言ってたもんね。たしか。
そしてトダッチのお蔭で全ての地杭の水平は死守することができた。
『土木仕事はココまでだ!』
と言って彼は去っていった。私は気持ちばかりのお礼(ビール)を渡し感謝を伝えた。
ここまでの作業で1日を費やした。
数日後。
次々と運び込まれる材料と共に彼が来た。
カヌーポートプロジェクトのキーマンヨシ兄(職業:大工)の登場だ。
(後編へつづく)
ここでは、カナディアンカヌーを所有してさらには実際に水面を漕ぎ出すまでをレポートしていこうと思います。
つづきはこちら
12.「カヌーの保管方法 - カヌーポートをDIYで作る(後編)」