それはトウモロコシ(以下、トウキビ)と、ナガイモだ。
2つとも、農家だった祖父が畑から採ってきたものを幼い頃から食べていたので、その味に慣れていた私は、東京のスーパーで売っているようなものや、レストランで出てくるガロニみたいなやつも、マズくてとても食えるものではなかったのだ。
本当に美味しい野菜が食べられるという環境は、ホンモノの味を知らない人にとっては知る由も無い価値であるからして、「野菜が美味しい!」などと地方の魅力をアピールする文脈は、だいたい届かない。
だからこそ、子供達には伝えなければならないし、ニッチな記事も書かないといけない。
最後まで読むとトウキビを食べたくなるから注意しよう。
先週末、「十勝芽室コーン炒飯地域活性化協議会」の食育イベントにお邪魔してきた。
トカチニッチの読者なら、当然ながら「コーン炒飯」は知っていて、食べたこともあるはず。
そこらへんの説明はサクッと省いて、早速下記の写真から見ていただきたい。
まず、今年は日照時間が少なかったため、ちょい遅れくらいの発育状況だそう。
背丈はまあまあだが、実が成っている位置が低い(写真の白い矢印を参照)のが今年の特徴で、収穫するのにモロ腰に来る感じだ。とうもろこし、モロ腰に・・・
ちなみに、このコーンは5月に種まきをしたもので、
自分らで蒔いた種から3ヶ月かけて育ったトウキビと対面している。
さて、トウキビは1本に2個成ることをご存知だろうか。
そして、"上"に成っているトウキビのほうが美味いことを。これ豆な。
ちなみに「愛菜屋とかに出荷するのは、"上"のほうだけ」というルールを農家の方々で作っているとのことなので、少なくとも愛菜屋に行けば"上"の美味しいほうが手に入るから大丈夫。気にしなくていい。上か下か、気にするのは打ち上げ花火だけでOKだ。
また、写真のようにナナメに成っているトウキビが狙い目だ。
なぜなら、ナナメになっているほうが、「重い」または「実が詰まっている」ということだから!
こんなんなってるやつが最高。
もぐときは、普通に持って、下に下げるだけ。子供の力でも簡単にもぐことができる。
トウキビの先っちょのほうをつまんでみて、先細りになってないか確認するのも大事。
見てわかるだろうか。先っちょのほうが白くなっていて、まだ実がついてない。
これくらいなら食べる分には問題ないが、先っちょまで美味しく食べたい場合は、
皮の上から先っちょをつまんでみて、細くなっていないやつを選ぼう。
参加者のみなさんと一緒にもぎったトウキビ。
すぐに茹でる!
「お湯を沸かせてから取りに行け」と言われるくらい、トウキビは収穫後すぐに糖度が落ちていくらしい。
自分で採ったトウキビを、糖度MAXのうちに食べる!なかなかできない貴重な体験だ。
トウキビ畑の真横に会食スペースが!
これぞコーンのフルコース!
・みんなご存知「コーン炒飯」
・開けるとき吹き出る確率No.1「地サイダー」
・冷たいコーンスープ
・とうきび味が半端ない「とうきび茶」
コーンがこーんなに!・・・
しかしメインはやはりこれ。
ガブリンチョ!
せっかくなのでコーン炒飯もいただきます。
ちなみに次男はさっき自分でもいだコーンではなく、コーン炒飯の上に乗ってるソーセージを真っ先に食べていたことは内緒だ。
最後に締めのコーンアイス。
美味しかった。
「美味しい」は正義で、「ホンモノの美味しい野菜が食べられる環境」は資本だ。
農業王国十勝の自給自足ポテンシャルは、生きて行く上で何にも代えがたい。
日本の経済が縮退していくなかで、いま我々は「人の幸せ」を再定義する、地方にとってはチャンスなわけで、
お金では買えない価値をもたらす地域の環境資本を、トウキビの写真に込めてお届けした。
ちなみに、我が家では茹でたトウキビに「豚丼のタレ」を塗ってバーベキューで焼いて食べる。
茹でてから焼くのがポイントだ。マジでウマいので試してほしい。