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シニアカーリングの世界

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シニアカーリングの世界

カーリングはオリンピックで見る、エリートクラスのカーリングだけではありません。様々なカテゴリーがあります。ジュニア、ユニバース、ミックスダブルス、ミックス4,シニアなど、バラエティに富んでいて、それぞれに世界選手権があります。ミックスダブルス(女1,男1)とミックス4(女2、男2)は男女混合ですが、それ以外は男女別に大会があります。ただし、オリンピックの種目としてあるのは、みなさんがTVで見る、男子と女子とミックスダブルスだけです。ミックスダブルスは平昌オリンピックから採用されていますが、日本は世界選手権でのポイント数が少なくて出場していません。

オリンピックと世界選手権での各カテゴリーで、女子チームは何度かメダルをとっています。直近では平昌オリンピックの銅メダルですね。他にもジュニア、ユニバース、シニアでメダルをとっています。しかし、男子は未だ、世界レベルの大会でメダルをとったことがありません。一番近かったのは、平昌オリンピックに出場したSC軽井沢が2年前の世界選手権で4位というのがあります。私はシニアチームとして6度、世界選手権に出ていますが、最高位は5位で、ベスト4まであと一歩でした。

今回は、そのシニアカーリングの話をしたいと思います。
まず、シニアの大会に出られる条件ですが、50歳以上というしばりがあります。50歳以上ですから、70歳でも80歳でも出ることができます。私が対戦したチームの中では、イタリアのチームでしたが、70歳という選手がいた記憶があります。女子チームではもっと年上の選手がいました。

じゃ、シニアカーリングはお達者倶楽部的な世界なのかといえば、全く違います。選手権ですから、各国代表チームが出てきます。それぞれの国で熾烈な予選を行い、国を背負ってでききますので、レベルは高いです。特に、50歳代は現役バリバリです。
男子でいえば、今でも世界トップレベルの選手である、ケビン・マーティン、グレン・ハワード、ジェフ・スタウトンらはシニア世代です。いずれも元世界チャンピオンチームのスキップです。
グレン・ハワードは、平昌オリンピックの女子3位戦、メダルをかけた日本女子チームの対戦相手イギリスのコーチで、TVにも映っていましたね。

ジェフ・スタウトンは、今年のミックスダブルスの世界選手権のカナダチームのコーチとしてスウェーデンに来てました。チームは銅メダルでしたので、本人もメダルをもらっていました。わたしはジェフ・スタウトンのファンでしたので、大会終了後のパーティでは一緒に写真を取らさせてもらいました。ジェフ・スタウトンはマニトバ・タックという独特のフォームでストーンをなげるのですが、私が彼に注目したのは、全く別の視点でした。
もう18年前のカナダ映画なのですが、「黄金のストーンを投げる男」というカーリング映画がありました。カーリング映画というのは珍しくて、あとは日本映画の「シムソンズ」ぐらいでしょうか。そのカナダ映画のエンディングロールで、本物のカーラーが1回転してストーンを投げるシーンがあったんです。そんな投げ方観たこともなかったので、とても惹かれました。その選手というのが若き日のジェフ・スタウトンだったんです。
それ以来、かれの卓越したテクニックはもちろんのこと、彼のファンになってしまいました。
回転して投げるというのは公式戦では、まずありませんが、世界選手権でも決勝戦などで、試合がほぼ決定したときに、コンシード(日本ではギブアップという表現が多いと思います)の意味でやることがあり、観客は大喜びです。
実は、私も日本選手権で一度だけ、回転して投げたことがあります。そのときは、ブランク(0点でその回をおわらせる)だったのでやったのですが、チームメイトからは、それ以後はやらないようにと言われました。(笑)

オリンピックでも、トリノの時のカナダチームのスキップがシニア選手でした。ラス・ハワードという伝説の選手です。さきほど名前がでてきたグレン・ハワードのお兄さんです。その大会ではカナダが金メダルをとっています。その時は、カナダの他のメンバーが若かったので、助っ人としてまとめ役で投入されたと聞いたことがあります。そして、その若いチームというのが、ブラッド・グシューを中心するチームだったのですが、グシュー選手は今でも世界のトップカーラーとして活躍しています。

ですから、シニア大会といってもとてもレベルが高いです。世界選手権には、元世界チャンピオンだったり、オリンピックのメダリストがゴロゴロでてきます。元といっても引退しているわけではないので、現役バリバリの選手が出てくるわけです。

私は40年カーリングをしてきていますので、氷の上で実際に戦うと、1エンドで対戦チームの実力をだいたい把握することができます。そうすると、1エンドでこれは勝てないな~と肌で感じることがあります。仮に4点先制されても、まだいけるなとおもうチームと、1点取られただけでこれは勝てないなと感じることがあるのです。
日本では、トップチームと戦ってもそのようなことを感じることがありませんが、世界に行くと、そのようなチームに出会うことがあります。今までは、カナダ、スコットランド、スイスのチームと戦ったときに、そう感じました。とくに、初めて出たニュージーランドの世界選手権で戦ったカナダチームはとんでもなくて、私は氷の上で頭が真っ白になりました。それまでの人生で、そんなチームと戦ったことがなかったので、無理もないところですね。
ただし、日本のチームでも、初めてそのようにかんじさせるチームに2年前に出会いました。それが、平昌オリンピックに出場した男子のSC軽井沢です。SC軽井沢とは何度か戦っているのですが、それまでそう感じることはありませんでした。ところが2年前に戦ったときに、1エンド目に1点とられただけで、勝てないな~と感じました。ほんとにワールクラスの実力を感じました。

私たちのシニアチーム「TOKACHI」は、ここ10年のうち、6回日本シニア選手権で優勝し、6度世界選手権で出ています。先述したように、最高位はニュージーランドでの大会の5位です。今年も日の丸を背負ってスウェーデンで開催された世界選手権に出てきました。
シニアの世界選手権はミックスダブルスの世界選手権と同時に同じ場所で開催されるので、男女のシニアチームとミックスダブルスチームが一緒になって入場式に参加します。ですから、今年はLS北見の藤沢五月さん、SC軽井沢の山口剛史くんらと一緒に入場しました。
ミックスダブルスは優勝の目もあったのですが、5位という成績で、過去最高位です。そして私達は男子27チーム中19位という成績でした。それでも昨年出場した日本チームは最下位でしたので、8つ上げたことになります。それくらい、世界のレベルは高いです。

順位はイマイチの私達でしたが、じゃ、すごい差があるのかというとそんなことはなくて、大会で上位に入ったチームと予選リーグで戦いましたが、どちらに勝利が傾くかわからないような接戦でした。ですから、ベスト8以上の可能性も十分あるのです。その時のコンディションによって、順位は大きく変わるのです。
世界に出て試合をするときに難しいのが、体調の管理です。例えば、ヨーロッパで試合があるときは、どうしてもヨーロッパ勢にアドバンテージがあります。時差もあまりないし、移動時間も2~3時間だと思います。それが、日本から行くと15時間近くかかり、時差の調整も大変です。
通常、体が時差に対応できるのに1週間は必要と言われています。ですから、1週間前に大会の地につくのが常識となっています。しかし、我々は、時間的にも予算的にも余裕がないので、1日前に到着です。ですから、どうしても普段のショット率が出せないことがあります。

ちなみに、シニアチームは補助がないので、全額自腹です。今回のスウェーデン大会では、半月ほどのスケジュールでしたが、おおよそ70万円ほどかかりました。もちろん、他のクラスの日本代表チームは全額ではないですが、補助がでます。
強いチームを作るには、とにかく世界のトップチームとの試合数を増やすことが必須ですので、お金がかかります。まだまだマイナーなカーリング、スポンサーがないチームは勝つのが難しいのが現実です。ですから、平昌オリンピックでの盛り上がりはとてもうれしく思います。これが、強いチームづくりに結びつけばな~と思います。

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あw ひどい!失礼すぎる!!!
サムネイルの方は、虫一匹殺さないですよ!!!

お腹痛い…

サムネイルの左から2番目。

フィリップどこ?

フィリップがいる…

類ない武闘家が「握手」によって相手から得られる情報は、手の感触だけではない。
腕のブレから、腕全体の筋肉のつき方を感じとり、さらにもっと奥の胸や背中、足腰の状態…
体幹の強さが伝わってくる。そしてその体を作り上げた鋼鉄の意思まで…といった感じでしょうか。

深い!深イイ話!
誰か、スポンサーにっ!

>全額自腹
>おおよそ70万円
おあッ?!おああああああああ!!!!!!

>お達者倶楽部
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