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私が今のカーリングで思うこと その①「ユニフォーム」

シルバー

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ノルウェーで開催されていた世界ミックスダブルスカーリング選手権と世界シニアカーリング選手権が終了し、今年度(2018-2019)のシーズンが終了しました。とくにミックスダブルスのフジヤマペアは実力を発揮してくれました。十分メダルを獲る地力はあると思います。来期以降が楽しみです。カーリングは、しばらくのお休みがあって、7月頃から新しいシーズンが始まります。

昨年の平昌オリンピックでカーリングが盛り上がり、今シーズンもそのエネルギーが残っていて、メディアに取り上げられることも多くなりました。一部ネットのカーリングの話題では、ちょっと勘違いした方のコメントもありましたが、これもカーリングという競技が認知されてきた証拠なのだと、私は前向きにとらえています。
「愛の反対は無関心」じゃないですが、とにかく怖いのは「無関心」です。超マイナーなカーリング人生を30年以上おくってきた私にとって、どんなトンチンカンなコメントでもありがたいものです。この関心が定着することを祈るばかりです。

さて、今回は日本のカーリング界において、私自身が気になることを書いてみようと思います。批判とかそういうことではなくて、ひとつの問題提起として考えてもらえればと思います。それは、「ユニフォーム」についてです。

日本カーリング協会には、競技者ユニフォーム規定というのがあるわけですが、まず、思うのは「(1)競技ユニフォーム基準①」の一部を撤廃してもらいたいということです。(1)競技ユニフォーム基準①にはどのようなことが書かれているのでしょうか?(以下参照)

(1) 競技ユニフォーム基準
競技者は「競技規則」のドレスコード及び本規定に則った同じユニフォームを着用しなければならない。
①使用できるユニフォームの色数 及びアイテムの着用(着衣ごとのメインカラー)
大会で使用するユニフォームのメインカラーは、使用するストーンのハンドルに合わせてダーク色又はライト色を着用することが望ましいが、JCA主催大会ではダーク・ライトの指定は行わない。
『同一試合内で着用するユニフォームにおける着衣毎のメインカラー使用数は合計 2 色までとする。』
例1)ジャケット1色、シャツ及びセーター等で1色の合計2色までとする。
例2)スキップが黒のブレーカー、サードが青のジャージ、リードが赤のポロシャツの場合は、全員が同じユニフォームを着用していたとしても 合計3色となるので認めない。
アンダーウェアー (重ね着により袖部分や襟部分のみが見える着衣)やネックウォーマー等(首など体の一部分を保温するための布地)の色は使用色数に含めないが、複数人が着用する場合は全員が統一すること。
パンツの色は使用色数に含めないが全員が同色でなければならない。 帽子は、被らない選手がいても問題は無いが、複数人が被る場合は、全員が同じものを着用しなければならない。

以上がその条項なんですが、私が気になるのは『』箇所です。つまり「メインカラー使用数は合計2色までとする」という部分がなんですが、この制限は全く意味がないと思っています。
おそらく、世界カーリング連盟のユニフォーム基準に沿っているのだと思いますが、国内における大会においては公式戦も含め、削除したほうがいいというのが私の考えです。国際大会においてもわたしは撤廃すべきではと思っていますが、それはWCF(世界カーリング連盟)が決めることなので、まずは日本国内においての変更からと考えています。

なぜ、その部分を削除すべきと私が思うのか。
カーリングを見ている皆さんは結構気づいていると思うのです、カーリングのユニフォームって地味だと思いませんか?わたしはそれにとても違和感を感じます。2月に日本選手権があって、競技が始まる前に全チームのスキップが出ている写真を見たときに、申し訳ないんですが、なんて華がないんだろうと思いました。今風にいえば、インスタ映えがしないんです。(もっとも、インスタ映えという言葉は、当のInstagramでも薄れる傾向があって、今はストーリーズにシフトしていますが)一部の知られた顔の選手がいることで、なんとか保っているという感じです。

オリンピックや世界選手権など、我々が競技に接するのは「映像」です。ラジオで競技を聞くというのは、昭和時代の話で、令和になった現在では、ほとんどないと思います。日本プロ野球のオンエアーぐらいでしょうか。ただ、ラジオはホットメディアと言われるくらいですので、結構インパクトはもっています。でも、現在はネットを含め、映像として競技を観ると思います。

その時に、「見た目」というのはとても重要だと思っています。オリンピックであれば、その国のセンスが出ます。それはユニフォームに限らず、「言語」「非言語」のコミュニケーション全てに関わってきます。
「言語」であれば、選手や監督が話す内容や話し方がありますし、「非言語」であれば、表情や身振り手振り、そしてファッションなどがあります。今回私がお話したいのは、その「ファッション」のことなんです。

スポーツをやっていると、カッコばっかりつけていないで、練習しろ!とか、なかには実力さえあれば、かっこなんかどうでもいいという指導者もいます。わたしは、これは違うと思っています。カッコも含めて競技なんだと。

マーケティングの世界では、よく「プロダクトアウト」と「マーケットイン」という話をします。簡単に言うと「プロダクトアウト」というのは、いいモノをつくればモノは売れるという考え方です。それに対して「マーケットイン」は消費者が求めているものをつくれば売れるという考え方です。今のマーケティングの世界は、マーケティング4.0まで来ているので、必ずしもこの2つの考え方だけではないのですが、今回はマーケティングの話ではないので、単純化して、この2つの流れで説明したいと思います。

現代は「プロダクトアウト」から「マーケットイン」へとシフトしています。どんなにいいモノをつくっても消費者に求められないものは売れないという考え方です。つまり、つくる側から買う側にパワーがシフトしているということです。(これも必ずしもそうではなくて、たとえば、Appleなどはプロダクトアウト的な考えで成功していますが、ここでは触れません)
液晶テレビを例にとります。いま、ちゃんとキレイに映らないテレビってないですよね。4K映像でキレイですし、インターネットにつながったり、録画機能がついていたり、どこのメーカーもそのハードとしてのレベルはとても高いものがあります。では、なんで差別化するのかというと、ひとつは価格ということもありますが、基本は「デザイン」です。デザインという概念はとても広いのですが、ここではビジュアル的はものとして捉えて下さい。日本にはグッドデザイン賞というのがありますが、その賞を取るくらいのデザイン力がないと、もう売れなくなってきているのです。

これをスポーツに当てはめると、選手が持っているスキルは、テレビでいえば様々な機能です。これは世界で戦うには基本的に持っていなければ勝負ができません。必要条件なんです。だけど、それだけでは、ダメなんです。そうデザイン力が必要なんです。ファッションです。それも持っていて、はじめて世界で通用するのでは、というのが私の考え方です。

だから、カッコばっかりつけていて、スキルがないというのは論外です。デザインが素晴らしくても、ちゃんと写らないテレビは市場から排除されます。スキルはベースとして絶対必要です。その為に、激しい練習を継続するという「GRIT力」が必要になってきます。でも、そのスキルだけでもダメで、メディアが映像で流すスポーツは選手にもチームにもデザイン力がないと、ダメなんです。
カーリングに限らず、なぜ人々がスポーツを見るかというと、そこに感動があるからです。スポーツでも音楽でも、さまざまなアート、ビジネス、恋愛でも、人々は感動に惹きつけられる生き物です。だから、ソチでメダルは取れなかったけれども、日本中を感動させた浅田真央さんのフリーの演技は伝説となるし、古くは札幌オリンピックのフィギュアスケートで銅メダルだったのに、ブームをおこしたジェネット・リンさんの存在があるのです。

もちろん、スポーツにおいて、一番の感動を与えるのは「金メダル」だと思います。それは否定しませんが、それは最終目標というゴールにおいての感動であって、スポーツをやる目的においての感動とはちがったものだと私は思います。選手の中にはこの「目標」と「目的」をごっちゃにしている人が多いのが気になります。だからバーンアウトしてしまう選手が出てくるのです。この点については、また別な機会にお話したいと思います。

で、ユニフォームに戻りますが、いまのカーリングの規約は、競技そのものに目が向いていて、いわゆるマーケティングの視点がとても欠けていると思います。大切なのは分かりますが、あまりにも競技に視点が偏りすぎです。つまり、競技者側志向で、観る側志向になっていないということです。これは絶対的にそうだと言っているのではなくてトレンドとしてそうなっていると捉えて下さい。
オリンピックを見て下さい。純粋な競技の戦いという面とは別に、運営そのものは、スポーツというネタで成り立っているコンテンツです。これは決してネガティブにとらえているのではなく、競技とエンターテインメントのWin-Winの関係といえると思います。逆に言えば、エンターテインメント性がなければオリンピックは成り立たないということです。だからオリンピックは、世界の大都市でしか、開催できないのです。

それは、選手にも影響してきます。いままでは、ただ、スキルを上げればよかったのですが、見てくれる人を意識したコミュニケーション能力も求められるようになってきているのです。ですから、例えば、美人アスリートという直接競技力と関係ないところに注目が集まって、とまどう選手もでてくると思います。でもそれは、選手として、やっている競技の認知度を高めるためにも、大いに活用するくらいのセンスと度胸が必要になってきます。
見た目や言動に注目するのではなく、もっと競技を見て、というのはもう成り立ちません。それは競技者のわがままです。好むと好まざるにかかわらず、世界レベルで競技をするということは、自分の存在がメディアであることを自覚して、競技以外の部分でも次世代に夢を与える存在にならなければならない時代になっているのです。

そう考えると、ほんのささやかな思いですが、カーリング界のユニフォームは地味すぎます。黒が多く、アリが氷上で競技しているみたいだと言った人もいます。ですから、ヘアースタイルやシューズのデザインはもとより、ユニフォームの色、カタチの規則は撤廃し、自由にカラフルなデザインのユニフォームが着られるようにしたほうがいいです。
かつて、タモリさんが「卓球は根暗だ」といわれたことにショックを受け、日本の卓球界はユニフォームを自由化しました。もちろん、白い球が見えにくくなるようなユニフォームは規制をかけていいと思いますが、カーリングの場合はストーンが見えにくくなるということはないので、どんな派手なユニフォームでも問題ないと思います。

これからのスポーツは、若者がついてこないスポーツには厳しい時代です。だからオリンピックですら、若者に受けるスポーツを競技に入れています。歴史のなかったスノーボードがあっという間に広がった理由はその自由なファッションにあります。私もそれにハマった1人ですが、ゲレンデのあのファンキーなファッションが気に入り、四半世紀前にスキーからスノーボードに変えました。
昼間スキー場でボードをし、夜カーリングをするためにカーリング場に行くと、あまりの地味さ愕然としました。これでは、若者がついてこないと思ったものです。ゲレンデの華やかさにくらべると、あまりにも夢を感じられない世界だったのです。

でも、今は、冒頭にいいましたように、カーリングの注目度も上がり、やっとほかのスポーツと同じぐらいのスタートに立てたと思います。サッカーや野球、ゴルフなどのメジャースポーツではありませんが、認知度はとても上がったと思います。もうフェーズを変えなければいけない時代に入っているのです。
ここからさらに成長するにはどうしたらいいのか?そろそろ、マーケティングをしっかり考える時代にきているのだと思います。はっきり言います。いまのカーリングにはクールさが足りません。もっとイケてるカーリングにできるはずなんです。 その意味でも、このユニフォーム基準は変えるべきではないかと日々思うのです。


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髪型にルールはありません。男子の世界選手権で、フィンランドの選手だったと思うんですが、ドレッドヘアがいましたし、私もドレッドヘア(帽子)でやったことがあります。あとタトゥーをしている人もいて、平昌オリンピックの女子の金メダルをとったスウェーデンの選手が腕にしていましたね。 ただ、

カーリングの話と思いきや、マーケティングの話だった (^人^)
「プロダクトアウト」と「マーケットイン」、勉強になります!

たとえ真っ黒のユニフォームだったとしても…
角生えた赤い顔で光るストーン投げてたら見た~い!

例)
https://starwars.disney.co.jp/character/darth-maul.html

あと、人体改造系はダメなのかな?なんて。。。

髪型にもルールありますか?ドレッド、モヒカン、アフロ、ジャンボカットなどはダメなのでしょうか?

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