アートの世界に「グラフィティ(Graffiti)」という分野がある。
グラフィティは、主にスプレーやフェルトペンを使って壁などの建造物に無許可で描かれるアート。
この分野では、自分の作品が公開オークションで落札された瞬間に、作品の額縁にあらかじめ仕込んでおいたシュレッダーで自らの作品を断裁する、というパフォーマンスで話題になったアーティストのBanksy(バンクシー)が有名だ。
匿名アーティスト・バンクシー
(BRUTUS Casa vol.240「BANKSY INDCIDENT」)
バンクシーの作品は、政治や社会批評のメッセージ性が強い表現が特徴的で、世界中にファンも多い。
(BRUTUS Casa vol.240 誌面から)
現在、バンクシーの作品は数億円規模で取引されていて、最も高い作品(これは油彩作品)は約13億円で取り引きされた。
また、正体がわからない匿名アーティストにも関わらず、関連書籍やグッズなどが日本でも数多く販売されていて、つい先日まで岡書(帯広市東4南16)にも特設コーナーが設置されていた。
グラフィティの種類
グラフィティは大きく分けて3種類に分類される。
左からタグ、スローアップ、マスターピース
1つ目は「タグ」という、ライター(グラフィティ作者)のサイン。時間をかけずに素早くこのサインを描く行為は「タギング」と呼ばれている。
2つ目は「スローアップ」という、2色以内で文字の輪郭(アウトライン)を描いたものを指す。
3つ目は「マスターピース」という、3色以上使ってより時間をかけて描かれたデザイン性の高いものを指す。
先に紹介した匿名アーティストのバンクシーが、つい先日(2021.3)発表した新作「Create Escape」の制作風景の映像(3分弱)が公式HPで公開された。これを見れば描き方が大体イメージできると思う。
オープニングに出てくるおじさんはバンクシーではなくボブ
グラフィティの暗黙のルール
建造物の所有者に許可の取っていないグラフィティ行為は「落書き」になるので、立派な違法行為。見つかれば逮捕される。上の動画でもわかる通り、描く際には人目に付きにくい夜中などに描かれることが多い。
そんなグラフィティだが、少し変わったルールや特徴がある。
まず、描く場所は公共の施設や巨大な建造物が対象で、個人商店や個人宅には描いてはいけないというルール。
そして、クオリティの高い作品の上にはグラフィティを描いてはいけないという「暗黙のルール」がある。逆に質の低い作品は、高い作品によって上書きされ、これを繰り返すことで、質の高い作品だけがその場所に残っていく…という特徴がある。
十勝のグラフィティ
ここ十勝にも少なからずグラフィティの文化が存在する。それでは十勝のグラフィティの一部(近所で見付けた)を紹介したいと思う。
立体的なグラフィティ
後ろのガスマスクが雰囲気ある
カワイイ系のロゴ
カッコいい系のロゴ
怖い系
クレヨンしん…さん?
右バッター対策
さーくる殺キャメル
両バッター対策!
本人に言って。
昔(20年位前)は、もっとたくさん目にした記憶があるが、消す人達の努力が上回ったのか、描く人が減ったのか、最近ではあまり目にしなくなった気がする。
※建造物の所有者に許可の取っていないグラフィティ行為は「落書き」なので違法です。このページは違法行為を推奨するものではありません。