休み最後の思い出作りに、何をしたいか聞いてみると『カヌーで釣り』と即答。
もちろん異論はないので、翌日の朝6時に元小屋ダム(糠平)へ向かうことにした。ここは先日、友達(荒草)と訪れた際にたくさん釣れたので、私は迷わずそこにした。
そして前回の支笏湖キャンプを終えて、またひとつ用意したものがある。
リールだ。
まさか嫁が魚釣りにハマるとは思っていなかったので、これまでの釣り竿2セットだけでは足りない。先日のキャンプでは、嫁と息子用にルアー竿2セットと、私用に釣りバッグに仕込んであった渓流用のテンカラ竿1本を用意した。
だが、数十メートル先まで狙えるルアー竿に比べ、私の振るテンカラ竿の射程距離は6メートル程と短くとても不利だった。
そこで今回、子供の頃に親父から買い与えてもらったリール(約30年前のもの)を物置から引っ張り出し予備の竿にセットした。
こうしてルアー竿が3セットになった。これで私も釣りが楽しめる!
※この頃「カヌーレポート」と言うよりも「釣りレポート」になりつつあるが気にしないでお付き合いください。
家から1時間強。
途中コンビニで朝食を買い、元小屋ダムへと車を走らせた。
一般道から山道に入るとこんな難所(↑)も。私はとにかく熊が怖いので目的地に近くなるとクラクションを多めに鳴らした。
車を駐めて屋根からカヌーを降ろしていると、目の前に黒いクマ...ではなく、視界が黒くなるほど大量の蚊が襲ってきた。これほど数が多いと虫除けは全く機能せず、たまらず車に避難した。そして寒くなったとき用に用意していた薄手のジャケットを着用、フードを被りコード(紐)を目一杯引き、サングラスとマスクで全ての肌を隠し厳戒態勢で準備を再開した。
出艇準備が整うと私たちは逃げるようにカヌーに乗り込んだ。カヌーを漕ぎ進めると次第に蚊もいなくなり、一変して気持ちの良いカヌーイングとなった。
数日前までずっと降り続いていた雨の影響で、ダム湖の水位が高く水の濁りも強かった。
しばらく竿を振ってみたが全く反応が無い。前回、たくさん釣れたポイントに行っても状況が変わらなかったので早々に釣りを諦め、今回は湖をゆっくりカヌー散策することにした。
そうだ…これが元々思い描いていたカヌーの楽しみ方だ。
右奥に見えるのが元小屋ダム。用途は発電専用らしい。電気大切。
この濁りの中では魚釣りは難しいがそれでも時折、ポチョン…ポチョン…と近くで小さな魚が跳ねるので、息子はその近くに何度もルアーを打ち込んだ。
いくら釣れないとわかっていても、竿を振りたくなる気持ちはよ~くわかるので好きなだけ振らせた。驚いたのは前回よりもキャストが上手くなっていて、軽度のライントラブル(糸の絡まり)も自分で解消出来るようになっていたこと。子供の覚えの早さには感心するばかり。
そして、見せたかった景色...
いつ見ても立派な「第3音更川橋梁(旧国鉄士幌線)」。
北海道で最古のコンクリート製アーチ橋らしい。
前に来たときはこんな感じの色の水(↑)だった。全然違う×
水の濁りはともかく、水位が高いことは悪いことではなかった。
前回来た時には水位が低く川になっていた場所も、今回は水位が上がったことで湖となっていた。前回は行けなかったその先にある糠平発電所近くまでカヌーで辿り着けるようになっていた。
私たちは楽に上陸出来そうな場所を見つけたので、そこで休憩することにした。
カヌーから小さなテーブルとイスを降ろし、持参した飲み物とおやつを広げる。
気持ちの良い風が吹くと、その風に乗ってたくさんの鳥が湖上を優雅に飛んでいった。
今、この広いダム湖には私たち家族だけしかいない。
『近くにこんな景色あるんだね。なんか贅沢だね』
と、嫁もこの元小屋ダムを気に入った様子だった。
結局、この後も魚を釣ることは出来なかったが、思う存分竿を振り、好きなおやつを食べ、上陸して探検に楽しみを覚えた息子も
『無人島脱出(テレビ番組)みたいだね!』
と、満足そうだった。
そして...
『でも、やっぱり釣りとカヌーはセットだね』
と嫁が締めくくった。
次は釣れる環境を見極めて出艇しようと思う。
(つづく)
ここでは十勝でカナディアンカヌーを始めた記録をレポートしていこうと思います
つづきはこちら
30.「GoPro(ゴープロ)撮影用マウントDIY」
■元小屋ダム
北海道河東郡上士幌町黒石平