「ホールディングアンカー(1.5kg)」だ。
カヌーに乗って釣りをしているとカヌーは動く。
5g程しかない軽いルアーを投げてリールを巻いているだけで、止まっているはずのカヌーが動いていってしまうのだ。カヌーの浮力半端ない。
そこでカヌーが動かないように小まめにパドルで位置を修正するのだが、竿を振るたびにパドルと竿を持ち替えていては全然釣りに集中できない。
この事態を回避するために、「アンカー」を使ってみようと思う。 そして大きな声で『イカリを降ろせー!』と叫びたい。
気分は船長ヨーソロー。
アンカーの使い方は実に簡単で、ロープを繋いでカヌーから降ろし底に沈めるだけ。たとえアンカーが底に着かなくても、風や流れのない場所であればそこそこ効果があるので、釣りが目的でなくてもカヌーを水面で定置させたい場合にお勧めだ。カヌーの上でゆっくり読書とか昼寝とかね。
ここで1つ注意点がある。
アンカーが底で何かにしっかり引っ掛かってしまうと、アンカーが取れなくなる可能性があるということ。無理に引き上げようとするとカヌーが転覆する危険があるので注意したい。
どうしても取れなくなった場合は水中に潜って救出するか、諦めてロープを切りアンカーに別れを告げるしかない。
だが、今回用意した「ホールディングアンカー」というタイプのアンカーは傘の様に開閉できる機構になっているので、ひと工夫すればこの事態を回避できる。※絶対ではない
(閉じてるところ↑)
ホールディングアンカーの形状を見ると、とりあえずアンカーの持ち手(傘の柄の部分)にロープを結びたくなるがここはグッと我慢する。ここにそのままロープを繋いでしまうと…
…こうなる。
このタイプのアンカーは、最初にアンカーの先っぽの穴にロープを結んでから、アンカーの持ち手部分に「細い糸」(釣糸や細めの結束バンド)でロープを固定する。
こうすれば…
もしアンカーが底で何かにしっかり引っ掛かっても、強い力でロープを引っ張り「細い糸」を切ってしまえば、アンカーが回転して逆さになり傘を閉じた状態で回収することができる。
(単純だけどこういう仕組み大好き)
『イカリを降ろせーー!!』
キャンプ2日目。
早朝の支笏湖の湖上で、私はそう叫び自らアンカーを沈めた。
アンカーが底に到着し、ロープの緩みを取りピンッ!と張った状態になるとカヌーは動きを失った。たった1.5kgの重りを沈めただけでカヌーは見事にそこから動かなくなった。
『こんなに効果があるのか…』
アンカーの実力を目の当たりにし、「これならもっと早く使えばよかったな」と後悔しながら、私は家族と共に時間の許す限り竿を振った。
(つづく)
ここでは十勝でひっそりとカナディアンカヌーを始めた記録をレポートしていきます
つづきはこちら
29.「元小屋ダムで釣りカヌー再び!【ダム湖マップ付き】」
■「モラップキャンプ場」
北海道千歳市 支笏湖温泉