2月中旬に仲間から連絡があった。
「あのさぁ~トラックリースして欲しいんだよね。一週間くらい」
「2~3日なら何とかなるけど、一週間は無理だわ」
「群馬にメガソーラーのキュービクル(変電設備)設置に行きたいんだよね」
「キュービクル?そんなに大きくないんじゃない?」
「そうだなあ。3連結5mくらいだわ」
「ふーん…じゃあ僕も行くわ。栃木の友達のところにトラクター持ってく」
「あっそう。行くか?じゃ決まりだな」
「宜しくね」
「うむ。宜しく」
と。まあ、実に軽~い感じで本州行きが決まった。
僕が持って行くトラクターはMF FE35という古くて(推定昭和37年頃製!)小さいトラクターなのだが、小さいが故、僕のトラックに乗せると荷台にはまだまだ余裕があり、どうせ行くなら、ついでにまだ何か積みたいなと思っていた。
そして、昨今のコロナ禍。
なかなか行動に移せないでいたが、絶好のチャンス到来。もちろん家族を説得し、行くことに決めた。
この機会を逃す訳にはいかない!
3月8日(1日目)
寒い朝だった。
すでにトラクターは積み込みしておいたので、仲間のキュービクルの積み込みに向かう。
午前中には全て積み終えて、一旦僕の会社に戻り、お昼ごはんを食べていざ出発!
感染症対策としてマスクと消毒液、車内にはナノイー空気清浄機。
夕方、苫小牧フェリーターミナルに到着。
今回、乗船するのは苫小牧~仙台~名古屋間の太平洋フェリーだ。各ターミナルから一日一便しか出ていないが、その代わりに船がめちゃくちゃ良い!
しかも今回は新造船の「きたかみ」だ。他に「いしかり」「きそ」という船もあり、その全てに過去乗船した。つまり太平洋フェリーの船を今回でコンプリートしたのだ!(えっへん)
3月9日(2日目)
仙台港到着間近。部屋の窓から貨物船が見えた。
貨物船&サイロ。
はうあ!なんかデカい!
デカいぞ!丸たつあ(笑)
ひとつのキャンバスに左から読む字と右から読む字が共存している不思議…
全貌収まりきらず。
いい!萌えるわあ。
そういう自分も今、大きな船に乗ってるんだけどね。
さあ、仙台港を降りました。ここからは一路、群馬を目指して走ります。 距離的には茨城県大洗港から目指す方が近いんだけど、仙台から東北道に乗る方が走りやすいよと栃木の友人が言っていた。
看板には「東京」の文字。本州を走ってるなぁと実感できる。
ちなみによく「上り」「下り」ってあるけど基点は東京駅だって知ってた?
あらそう。知ってたか…
でも、それは鉄道の話。
高速道路では別に考えるそう。北海道で言えば、基点は札幌で帯広から札幌に向かう方が上り。函館から札幌に向かう方も上り。上り線が基点を越えれば下り線になるみたい。うーん…なんだか難しい(汗)
船の中では朝食は摂らなかった。
理由はこれ……
仙台と言えば牛タンでしょう!
牛タンは美味しかったが、長芋が残念!
やっぱり長芋は十勝産が好きかな。
続いて、栃木の那須塩原PAでトイレ休憩。
栃木と言えばレモン牛乳でしょう。
さあ、次は群馬までノンストップで行きます。
左手に妙義山が見えてきました。
断崖絶壁の岩肌。なんかカッコイイ。でも登山は大変そう…
そうこうしてる間に現場着。
これがまた狭い所で、やっとこさ入ることが出来ました。
現場監督が一言。
「崖の方の砂利まだ少し締まり緩いから、あんまり寄ったら落ちるから」
ちょっと!怖いんですけど!
3月10日(3日目)
キュービクル設置作業に入ります。
とは言っても僕はクレーンのオペレーター。言われた通りに動かします。
そのうちにこっちでは「押せ」あっちでは「振れ」むこうでは「上げだ!」と、みんながみんな言う事がバラバラになります(笑)
こんな時皆さんはどうしますか?
僕はいい方法を知っています。
それは全員の意見を全て無視するという方法。
もちろん安全に作業しますよ。
ちなみに、ひとつ重さ2トンもあるそう。
総額1,500万円!慎重に慎重に。
午前中のうちに設置完了。
暗くなる前に次の目的地、栃木の友人宅を目指します。
意外と早く、15時頃到着した。
トラクターを下して、預かってもらっていた僕の荷物を積み込みます。
今回は発電機1台とAIRMANのコンプレッサーを2台。
本当はもう少しコンプレッサーを集めたかったのだけど、今回は時間が足りなかった。
ちなみに、ここ栃木の友人(農家)は耕作総面積50haほどだそう。十勝と変わらない規模ですね。凄い。
思ったより順調に作業が進んだので、ちょっと時間が出来た。
そこから地元クボタの営業所の友人のところと、エムエスケー農業機械の元の上司の所へ顔出しに行って来た。
めちゃくちゃ歓迎されるかと思ったら、至って普通に応対してくれました。良い意味で意識しない相手と思われているって事にしておこうっと…
あ、それともお土産に持って行ったマルちゃんのダブルラーメンだと物足りなかったかな?
そんなこんなで3日目も終了。
明くる日の夕方にはまたフェリーに乗って北海道へ帰ります。
そして気付けば、翌日は3月11日。
あの未曾有の大震災があった日だ。
あの日からもう10年が経つ。
「どれだけ復興が進んでいるかこの目で確かめてみよう」
国道6号線。海岸沿いを走って戻ることにした。
ー 後編へ続く ー