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白ベンツ君のクラッチ故障…果たして廃車か復活か。

本tech

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明けましておめでとうございます。
本techです。

世間は「コロナ」「コロナ」で暗いニュースばかりですが、ここでは明るくいきましょう。

少しでも、フォロワーの皆さんが楽しんでくれればありがたいです。
本年も応援宜しくお願いします。

それでは本題。

あの夏の暑い日。
ベンツ…白ベンツ君が逝った。

「逝った」と言っても、所詮機械。
逝き方にも色々なパターンがある(笑)

ちなみに今回は、クラッチが逝った。
普通自動車免許を「マニュアル車」で取得した方なら理解できると思うが、
車が走行中にクラッチペダルを踏むと、エンジンは動いているけど走行動力が切れるから、いずれ止まるでしょ?

この白ベンツ君もマニュアル車。形は違うけど自動車と構造は変わらない。

災いというものは、不意に突然やって来る……

「冬に備えて除雪用のバケットを用意しとかないと!」
「手に入れてからオイル交換もしてないや!」
「バッテリーは大丈夫だべか!」


と、色々やること考えながら、久々に少し動かしてみた。
クラッチペダルを踏み込むと…

『スカッ…』

…おい

クラッチが切れないのである。
つまり、ずっと走行状態。
もはや、一度泳ぎだしたら止まらない大間のマグロのようだ。
すしざんまいどころじゃない。これは修理ざんまいだ。

何はともあれ、この故障に関して多少焦ったものの、私の本業は農業機械の修理屋故、こんなことは時々ある。

そして冷静にチェンジレバーをニュートラルに戻す。
やれやれだぜ…」と、空条承太郎の様な決め台詞を吐き、トラクターを邪魔にならない場所に移動してと…

『…ギーッ…ガガーッ』

なんとクラッチが切れないから、ミッションのギヤが入らなくなり走行不能になってしまった。
HOLYSHIT!

しょうがない……
ここはギヤを入れたままエンジンかけるという荒業で、ひとまず邪魔にならない場所へ移動。

よし!
修理は今度やろう。


今度やろうは馬鹿野郎。明日やろうも馬鹿野郎。そんなフレーズもあったっけ。

そして秋を通り越して12月。
…懐かしいフレーズの文字通りに馬鹿野郎どころか大馬鹿野郎になってしまった(汗)
なぜだ……どうしてだろう……今まで時間はたっぷりあったはずなのに……

こうして雪降る直前に、やっと重い腰を上げて修理に取り掛かる。
そういや学生の頃のテスト前もそうだったな…
夏休み・冬休みの時も…(涙)

さて。まずはクラッチマスターシリンダーから。
クラッチペダルに直結している部品だから、消耗する部品だ。
取り外した。
原因あるといいなぁ。
ちなみにこのトラクターは「メルセデスベンツ MB-trac 800」と言います。

全く関係ないけど、ドイツ語の警告シールを発見。
んんー。全く読めません。
「緊急脱出スイッチを押したら5秒後に椅子が飛びます」とか?

場所を工場に移して、マスターシリンダーを分解する。
品番がアルミの帯テープ?みたいなのに分かるようにしてあった。
凄いなあ。さすがおベンツ様。
部品も高そうだ(汗)
おっ。原因を発見した。
ゴムの角が削れている。
これが原因できっと油圧の圧力が逃げたんだな。

さてこのオイルシール(正確にはここの部品の場合カップキットと言う)。
部品出るかなあ。。。

裏側を確認。
おぉ!「Seiken」と書いてある。
「Seiken」は国産メーカー。
調べてみると、思った通り部品が出た。あー良かった良かった。

ちなみに売っていたのは「10個1セット」。
あと、8個いらないな…

さて、オーバーホールも終わったし、いざ取付。
エア抜きのニップルはどこかなー、と配管を辿っていく。


お!発見。
…と、ともに怪しいパーツも発見してしまった。

って、これレリーズシリンダーじゃん…

これは、マスターシリンダーで作った油圧をクラッチのフォークに伝える部品なのだが、何十年も前のトラクターはマスターシリンダーとレリーズシリンダーをセットで交換するのがセオリーだ。
どちらか一方を直すと、もう一方が圧力に負けて油漏れしだすのだ。

「直すならちゃんと直さないとすぐ駄目になるよ」

これは僕がお客さんによく言う言葉だ。
しかし今、自分がまさにその状況下にいる。

「分かった。がっちり直しといてくれ」

十勝の農家さんは大体こう言う。

できれば僕もそうしたい。
だが、レリーズシリンダーの部品なんて手に入るだろうか…もし部品が無ければ……

やばい…廃車の危機だ。

ひとまずエア抜きをしてみる。
良い感じ良い感じ。
と思っていたら…

『スカッ…
スカッスカッ…
スカッスカッスカッ……
スカッスカッスカッスカッスカッスカッスカッスカッスカッスカッスカッスカッ……』

もうええわ!


やっぱり予想通りの展開。

さてと……

バラしますか。

もう。やりにくいから椅子取っちゃう。
近くで見ると…後ろにゴローン
前述に、5秒後に椅子がどうのこうのあったな…予言してしまったようだ。
ちなみに写真は12月。今年は雪が無い。

さて、工場で分解してみた。
なんじゃこれ。
見た事も無いサイズ&メーカー……

さすがに終わったな……。



と思って落ち込んでいると。
年末ギリギリに、取引先の部品屋さんから入電があった。

「あのー。レリーズシリンダー国内に1個だけ在庫あるようなのですが、手配します?」

「します!します!します!します!します!!」

ラッキーだった。
こんな事ってあるんだな。

こうして年明けの1月中旬に部品が入荷。
写真も撮り忘れて作業に没頭する。

付いた。

エア抜きをしてみる…
適度に重いクラッチペダル。

やった…やったよ…

バッチリ直りました!YEAH!!
さぁ、あとは除雪用バケットとリヤウェイトを付けるだけ。

今年は使えるかなー、楽しみだ。

でも、まだヒーター壊れてるんだけどね…


(おわり)

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昭和59年>
後輩じゃん!一気に親近感です。

15:00さん
シリアルプレートはちゃんと確認してませんが、キャビン横に昭和59年度~事業とありますね。
当時、北海道クボタさんで販売したという噂があります。噂ですよ。
本tech

9:37さん
実は除雪用バケットも準備しまして少し動かしてみましたが、そこそこ調子良いです。
寒いのを除いて(笑)
本tech

9:20さん
危うくリアル万歳(廃車になるという意味)するところでした(汗)
本tech

9:18さん
やっぱり機械ですからね。小さな部品の組み合わせで大きな動力になるという事ですね。
これからも小さな事からコツコツ頑張ります。
本tech

何年くらい前のトラクターですか?

バンザ~イ!バンザ~イ!バンザ~イ!白ベンツ君良かった!

最後の写真バンザイしてるみたいでカワイイ

あんなに大きい本体がこんな小さい部品で動かなくなっちゃうのか。。。

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