それは唐突に始まった。
たまたま寄った解体屋さんに1.0トンのバッテリーフォークリフトが入荷していた。
僕:「このリフトもスクラップなの?」
解体屋:「バッテリーが駄目でスクラップだよ。バッテリーだけで100万くらいするから」
バッテリーフォークリフトのバッテリーって凄く高いものですね(汗)
確かに通常の自動車やトラクターのバッテリーとは全然違う形をしている。
まだそんなに古くない型だから勿体ないなあ…しかし、キーを捻ると13,000時間ちょっと。やはりそれなりにこき使われていた様だ。
あら?ふと気付いたら、油圧レバーが3本。
これってサイドシフト(油圧で爪先が横移動する装置)付いている?
僕の1.5トンフォークリフトは付いていないので無性に欲しくなってしまった。
果たして移植できるだろうか…
僕:「移植できると思う?」
解体屋:「知らん。やってみれば?」
そりゃそうだ。解体屋のおじさんが移植できるかどうかのノウハウなんてあるはずもない(失礼)
僕:「因みにこのフォークリフトいくらで譲ってくれる?」
解体屋:「15万でいいよ」
その当時は、廃バッテリーがまだ高価買取してくれた時期だった。今となっては…(泣)
解体屋さんのおじさん曰く、このフォークリフトのバッテリーも10万くらいにはなるだろうとの事。そうなれば欲しい部品を外して、鉄くずと廃バッテリーにして売っても見合うと思った。
「15万で買います」
交渉成立となったのだった…
部品取りとなった1.0トンのバッテリーフォークリフト
購入したフォークリフトをトラックに積んで帰り、早速バッテリーフォークリフトの油圧バルブの方から分解してみる。
なんせ元に戻す必要が無いから気が楽だ。そもそも不動車だしね。
とにかくバラバラにして油圧バルブが見えたところで自分のフォークリフトとも見比べる。
「なんか合いそうな雰囲気だぞ…」
その昔、2.0トンも2.5トンも油圧バルブやポンプなどは共通だと聞いたことがある。多くは共通で、カウンターウェイトが違うだけだと。
※カウンターウェイトとは釣り合いを取るためのウェイトの事。例えば持上げ能力が2.0トンならば、カウンターウェイト含めそれ以上の自重が必要となる。
確かに言われてみるとそうかもしれない。0.5トンごとに各部品が違っていたら、とんでもなく生産コストがかかるもんね。
「きっと共通部品に違いない…やってみよう」
自分のフォークリフトの油圧バルブも取り外してみます。噂話と自分の推測だけで作業を進めると言う恐怖(笑)
それでもプロかって言われてしまいそう…
バッテリーフォークリフトから油圧バルブを取り外した。バッテリー車と言うだけあって、配線類が凄い。
結果、バッチリ合いました!
噂話は本当だった。自分の推測は当たっていた。イエイ。
さあ、決まったところでレバーも組んでしまおう。
レバーが付いたら凄く良くなった。ってまだ、肝心な爪先を動かす方は手つかずだけどね。
バルブとレバーの移植は完了した。
さて、ではサイドシフト装置本体を移植していく。
マスト(上下する部分)はそのままで、バックレスト(爪の付いている部分)のみ移植することにした。ここも1.0トンと1.5トンは共通のようだ。メーカーも同じだけあって、特に加工の必要も無くすんなり収まった。
バックレストを丸ごと付け替えた
残すは油圧ホースの配管とホースを通すローラー等を移植する。折角なので、油圧ホースは新品を製作してもらった。
いざエンジンを始動し、動かしてみます。
「スコン・スコン」右に左に爪が移動する。
僅か30センチくらいずつですが、これが便利なんだよね。
やりました!大成功です。
また一つ実績を積むことが出来ました。
今回は噂話と推測で動いた結果の成功例ですが、読者の皆様が実行される際はよく調べてからにしましょうね(笑)
完成。乗って右にスライドした図。左にも同様にスライドする。