数年前の夏の果て、我々は陸別町のトマム(斗満)という地域にいた。
名は同じだが「雲海テラス」でよく知られた星野リゾート トマム(占冠村苫鵡)とは別の地域を指す。
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北海道の先住民族であるアイヌの人々は、彼らの言葉(アイヌ語)でそれぞれの土地を呼んでいた。現代の市町村名はそれに由来するものが多く、その数約8割というから驚きだ。
例)※諸説あり
●トカプシ ※乳房が付いているところ
→十勝(とかち)●オペレペレケプ ※川尻が分かれ分かれする川
→帯広(おびひろ)●リクンペッ ※高いところにある川
→陸別(りくべつ)帯広百年記念館
アイヌ民族文化情報センター「リウカ」HPより
http://www.museum-obihiro.jp/map/map.html
乳房って…どんな土地…?
さて、トマムの語源を調べてみると、アイヌ語で「湿地」を意味するのがわかる。
陸別町におけるトマムは、国有林などの森林に囲われた「盆地」で、畜産・酪農が盛んな農村地帯だ。
土地が湿って盆地であるということは…
ピコーン!※何か閃いた音
もしかすると風のない早朝、その湿度から低い高度に雲が発生し、盆地に留まる事によって幻想的な景色が見られるのではないか!?
そう、雲海だ。
トマムの名から連想し、安易な仮説を立てて撮影の計画を練る。
時期を見計らい、しばし天気予報と睨めっこ。
晴天・無風狙いでアタリを付け、この日!とばかりに深夜2時頃帯広を出発、
夜明け前ギリギリの午前4時頃に現地へ到着した。
この日のために、事前にロケハンを行い撮影ポイントをおさえていたのだ。
おかげで迷わず撮影現場に到着した。
※ウソ。本当は1時間位迷いに迷った(汗)。
辺りは街頭ひとつない真っ暗闇。右も左もわからない。
携帯電話の電波も届かない。ゆえにGoogleマップも使用不可。
夜間は野生動物の行動が活発だ。キタキツネやエゾシカが目を光らせている。
熊もウロウロしていそう(汗)
やだなー。やだなー。
こわいなー。ここ。
不安と焦りでオシッコちびりそうだった…
だが、その暗闇のおかげか、空を見上げると星が恐ろしいほどに輝いている。す、凄い…。
まるで星が降り落ちてきそうだ…これも空気が澄んでいる証拠だろうか。
さすがは「星の降る里」をキャッチコピーにする町である。
なんとか夜明け前ギリギリに間に合い、急いで撮影の準備を進めた。
そしてゆっくりと白んでいく景色を目の当たりにし、我々は息をのんだ。
そこには想像をも超える絶景が!
期待していた雲海が、本当に発生したのだ!
それも、かなり遠くの反対側に…!!?
だが、ここから望む景色もなかなかの見ごたえ!
後光も差し自然と手を合わせる。ありがたや・ありがたや~!
雲海の発生時間はごくわずか。まずはメインである動画の撮影から行った。次にドローンによる360°空撮写真撮影だ。それまでに雲海は大分薄くなってしまったが、それでもなんとか記録に残す事ができた!
この小高い丘の辺りにカフェや展望台があれば、とても良い観光スポットになるだろうなぁ。
と、ひとり妄想にふけりながらしばらくその景色を眺めてた。
●この360°空撮写真の動画を貼っておきます!ぜひご覧ください。
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※PCの方は下記動画を再生後、画面内をグリグリ動かしてみてください。
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