蝦夷梅雨というには遅い気もする、ぐずついた空模様が続いた6月の十勝地方。
まとまった雨が降ると川は増水し、命が危険。
雨の日に川へ行くのは危ないので絶対にやめましょう。
6月某日に降った強めの雨
友人グループと遊びに行くという娘に「川とか行くなよ」と注意してから向かったのは伊忽保(いこっぽ)川。十勝川系士幌川の支流であり、釣り人にはブラウントラウトが釣れる川として名が知られている。
川が濁れば難しくなるのが釣りという趣味。
雨による“濁りに強い川”は数あれど、先の台風被害、そして復旧の工事に伴い荒天時の河川状況が読みづらくなった近年の十勝。台風の影響が少なかった伊忽保川は、現在も“濁りに強い川”のひとつだと考えているがいかがだろう。
雨の日の伊忽保川…まだ濁っていない様子
もちろん伊忽保川でも濁るときは濁る。
支流なだけで“濁りに強い”というより、ただ「濁りに鈍い」、「濁るのが遅い」川なのかもしれない。
淡水魚を釣る面白さで言えば「ニジマス > ブラウントラウト」なので、釣りシーズンのど真ん中に伊忽保川へ訪れる釣り人は少ないはず。ただ前述した理由により雨が降ると、この小さい川にどこからともなく釣り人が集まるのでグズグズはしていられない。
伊忽保川へ向かう途中、念のため士幌川を覗く。ダメと予想していても、できればニジマスと遊びたいのだ。が、やはり士幌川はカフェオレのごとく濁り、流れも荒くなっている。今日士幌川に入るのは危険だ。
予定通り伊忽保川(いこっぽ)へ
水面が雨に叩かれても普段と変わらない姿にひと安心。(少し増水しているが)
雨の日は、川さえ濁ってなければ釣れるイメージがある。こちらの姿が見えづらくなり、魚の警戒が弱まるのだろうか。
※逆に透明度の高い川は釣れない場合が多い、単に腕のせいかもしれないが。
竿を伸ばし、最初のポイントで粘るも魚の反応は良くない。ただ魚影は確認できた。
小さいながらも遊んでくれたブラウンをリリースしながら、ボウズ(釣果ゼロのこと)を回避したことにホッとする。
その後は軽快に釣り進み、この辺一番のポイントに到着すると先客釣り人の姿を発見。川に入るためのウェーダーを着ていなかったので、直接このポイントに入ったのだろう。先客がいるのに勝手に釣り始めるわけにもいかず、藪をガサガサとかき分けて挨拶に向かう。
この辺で一番のポイントに先客が…
しかし遠回りしてまで到着した、いたはずの場所から先客の姿は忽然と消えていた。
ずぶ濡れのテンカラマンを警戒したのか…またはこの世の存在ではなかったのか。まぁオカルト信仰心はゼロなので、これ幸いと釣りに戻る。
ただ一番のポイントなのに、釣果はいまいち。先客がいると魚の反応が渋い。早々に切り上げ別のポイントへ向かう。
20数匹は釣ったであろうか…ニジマスもいたが、ほとんどはブラウントラウト。
加えて緑が生い茂るこの時期、川幅の狭い伊忽保川では竿を気持ちよく振れず少しばかりフラストレーションが溜まる。
雨の日でも遊べる伊忽保川に感謝しつつも、「晴天の日に、広い川で釣りたい」などと考えてしまう、青梅雨の釣行であった。