2018年4月28日。
「さぁ、出炭再開だ!」の合言葉のもと、夕張石炭の歴史村の中核施設である「夕張市石炭博物館」がリニューアルOPENした!(…というのを最近知った)。
この施設は、筆者が幼少期のバブル絶頂期に一度、家族で訪れた記憶がある。
当時、園内にはロボット大科学館や遊園地などが併設され賑わいをみせていたが、この「夕張市石炭博物館」だけは幼心に「暗くてちょっと怖い」というイメージがあった。
夕張市は2007年に事実上の財政破綻となり、その後10年を経て「地域再生」へと舵を切る。その最中に「夕張市石炭博物館」を全面リニューアルしたと言うのだ。
なぜ今なのか___。
これは(マネキンや蝋人形が大好きな筆者…)というのを置いても、「行ってみなければ」という興味が駆り立てられ、家族を半ば強引に巻き込んで訪問したのであった。
「暗くてちょっと怖い」イメージも、リニューアルして明るくキレイになっているに違いない!きっと幼い息子達でも大丈夫だろう!!
そんな軽いノリだった。
これは↗︎どこかで見覚えがあるような…炭鉱時代の名残が今なお点在している。
ナビに従い現地付近へ到着するも"ここではない感"が半端ない…。
えっ 入口どこ?
うかつにも通り過ぎ、立入禁止の看板前で立ち往生。
ここから奥に見える「石炭の歴史村」の看板付近が、どうやら目的地のようだ。
Uターンし、見つけた案内表示通りに侵入してみるが…
石炭の歴史村だったと思われるその大半が廃墟群と化していて、その中を通りすぎていく…ゴクリ。「なぜ取り壊さないのか」との思いも、博物館を出た後にはまた違った見え方となっていた。
マスコットキャラクターの「ゆうちゃん」がいざなう、石炭の歴史村へ。
その奥に駐車場があり、車が数台止まっていた。
駐車場から600m程歩き、ようやく博物館へ到着した。外装はキレイにリニューアルされている。
「やった、ここだ!」とホッとする。
炭塊の前で記念撮影。
※この時、息子はこれから起こる悲劇をまだ知る由もなかった…
1階は誰でも自由に入れるホールとなっている。
ここでチケットを購入。
料金
- 大人 1,080円
- 子供 650円
- 幼児 無料
2階に上がると、
「相次ぐ閉山・ヤマの灯を消すな」
「全国最低の行政サービス・全国最高の市民負担」
「リスタート!」
…との衝撃的なキャッチコピーが目に飛び込んでくる。
なんとも潔い!
炭鉱で栄えた時代から財政破綻に至るまで、その歩みがしっかりと記録・展示されている。
見栄も外聞もかなぐり捨て「全てを受け止め、前を向く」という強い姿勢が感じられた。
リニューアルされたフロアは明るくキレイでとても近代的。
息子達も楽しんでいるようでホッとした。
さぁ、いよいよここからが本番だ!
立坑ゲージを模したエレベータを下って坑道の「まっくら探検」へ!
当時風の演出が施されたエレベーターに乗ると突然「地下坑道1,000mの坑内へ向かいます!」というアナウンス。
実際には地下2~4階程度の深さだが、息子達が本気で信じてしまうレベルの臨場感だ。ワクワクが止まらない。
でた!
超リアルなマネキン。
思い出した!これこれこれぇ~!
女性工員。
手前のボタンを押せば、当時の会話が聴こえてくる。
子供目線でこの迫力。怖がるのも無理はない…。
指の先まで、ここまでリアルにする必要があるのか…というくらいにリアルだ!
大人(筆者)は大喜び!
子供(息子達)は…かなりビビッている?
4歳の息子は母にピッタリとくっついて離れない。
真夏なのにヒンヤリと寒いくらい。ゆっくり鑑賞する方は長袖のご準備を。
子供目線からの、大・迫・力!
坑道の奥では当時実際に使われていた機材が展示されている。スイッチを押すと動きだし、ゴゴゴゴゴゴォォォォ!と坑内全体に響きわたる。
ここから実際に使われていた坑道へ。
最近、ウォーキングデッドにハマっているが、
今まさにそこからウォーカーが出てきそう!
恐怖!捜検所のオッさん。
※子供目線…これ絶対怖がらそうと狙ってるよね(笑)
歴史的価値のある模擬坑道。
今回は足早に進んだが、展示物の充実たるや凄いものがある。次の機会があれば、丸一日費やしてじっくり見学したい。
長く見応え十分の坑道も、ついに出口。
とたんに4歳の息子が「うわぁぁぁぁぁぁぁ」と号泣してしまった。
どうやらずっと我慢していたようである(汗)
ごめんって。。。
家族からはブーイングが起きたが、子供の頃、ちょっと怖かった「夕張市石炭博物館」も改めて大人の視点で観覧すると、面白くとても歴史的価値があるのもわかった。
点在していた「夕張石炭の村」の廃墟群も、それ自体が時代の記憶を留めたモノとして、そこに展示されているような気さえしてきた。いや、そうに違いない。
大げさに言えば、夕張の街全体がこの博物館の一部だとさえも感じるのだ。
廃墟はそれ自体に主張はないが、訪れた人それぞれによって受け止め方に違いがある。
美しさや懐かしさ、寂しさや不気味さなども。
息子がまた違った見方が出来るその時まで、ぜひ残していって欲しいと思うのであった…。
また来る!頑張ってほしい、夕張!!
●夕張市石炭博物館
https://coal-yubari.jp/