大変なことになっていたので再度レポートすることにしよう。
一部妄想も紛れ込んでいるかもしれないがほぼ事実なので
経過を見守るとともに現状を紹介してみよう。
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真冬ではない。しかし春と言うには寒すぎる。
まだ太陽光線の力が弱く感じる鉛色の空の下。
私は仕事に行くためにトボトボと歩いていた。
今年は異常に雪が少なく助かっていたのだが
なにか違和感をずっと感じていた。
些細な違和感なので気にも留めずにいたのだが
ここ数日の異常な光景を目の当たりにし、もしかしたら
全ては繋がっているのでは?と重くのしかかる不安に
押しつぶされるような感覚に支配されているのだった。
最初は匂いが。ヘドロが腐ったような匂いが時折鼻を
かすめていたのだがこの段階で異常に気付くわけもなく
あの時に気が付いていればと思うものの。
自然を相手に私がどうこう出来るわけもなく
ただ経過を見守るしか術がなかったのである。
しかし、なぜ?騒ぎにならないのか不思議だ。
もしかしたらこの現象は私にしか見えないのでは?
という疑問すら浮かんでくる。
雪が解けてくると徐々にその全貌が明らかになっていった。
いつもならあるはずのモノがない!
全くだ!
この地に生まれて50年以上こんな光景は初めてだ。
そう池の水がない!
まさか、未曽有の干ばつへの序章ではなかろうか?
下の写真は去年の夏ごろ同じ場所。
下の写真は去年の夏ごろ同じ場所。
不安と違和感の正体はこれだった!
しかし何故?
私が子供の頃はボート乗り場として賑わっていた思い出の場所。
。。。。。。。。。。
んっ?えっ!あっ!!!今ならボート遊びに興じていたあろう人たちが
落とした小銭なんかが拾い放題なんじゃなかろうか!
お花見で酔っぱらったオッサンが財布ごと落としたのを見たこと
あるぞっ!
い、急がなくちゃ!!!
長靴!長靴!ゴム手にスコップ!一番ノリダー!!!
。。。。。。。。。。
。。。。。。。
ハッ!いや、今のは忘れてくれ、チョットだけご乱心してしまったようだ。
思わず欲望がダダ洩れに。
これも祟りの影響だというのか。恐ろしい。。。。。。(スマン違うね)
いや待てよ!付近の小川はどうなっているんだと疑問に思った私は
急いで湧水の出ているポイントに向かい調べることにした。
し、しかし。。。。しかしだ。
どこもほとんど湧水が湧いていないようだ。
小さな魚たちも残った水溜りでなんとかしのいでいるようだが
いつまでもつのか。
保護も必要になるのでは?と心配になるがまずは調査が先決だ。
発祥の地公園
下の写真は去年の夏ごろ同じ場所。
旧帯広川の源流の湧水も。。。。
下の写真は去年の夏ごろ同じ場所。
下の写真は去年の夏ごろ同じ場所。
その違いは歴然であろう。
そして付近を調査中に近所の人の噂話が耳に飛び込んできた。
要約すると緑色の大きな亀を近所の子供たちがイジメていたというのだ。
ま、まさか!こ、これは浦島太郎案件なのでは?
いや違うし。
その緑の生き物は頭を抱えうずくまった河童の子供だったのでは?
河童の逆鱗に触れ付近の湧水が突然枯れたのかも。
トカチのポアロと呼ばれて久しい私の灰色の脳みそが推理を
即座に導き出した。
全ての辻褄が合うな。。。。。。
いや、限りなく真実に近づいたと言えよう。
この怪奇現象は河童が祟ったのだ。
そして、湧水を復活させるには天岩戸に引きこもった天照大神に
天岩戸の扉を開けさせた天宇受賣命のようにキュウリを手に取り
裸踊りをしなくてはいけないのではないか?
私は贖罪のためキュウリを懐に忍ばせ桶を手に持ち
小さな声では聞こえぬだろうと、あらん限りの大きな声で
「カッパ様、お出ましください、お許し下さい!」
と呼びかけようと懐からキュウリを取り出し服を脱ごうと
したところ眼の隅に赤ちゃんと子供を連れた妙齢の女性が映り
ふと我に帰った。
間違いなく宗教儀式なのだが。。。。。。
はたしてこの贖罪の儀式を執り行って良いのだろうかと。
すんでのところで思いとどまり冷静に今の状況を鑑みることにした。
50代の男性がやおらキュウリを取り出し裸で「カッパ様!」と大声を張り上げている。
一心不乱に踊りながらだ。
怖い。想像するだけでもうすでに怖い。
これは通報の案件。
いや逮捕も十分あり得る。いや、現行犯だ!
そして不審者出没の看板が公園に立つことだろう。
家族親戚は泣き叫び友達は去り。
当然、お家の取り潰し、当主、家臣は浪人になり路頭に迷う事だろう。
儀式を躊躇したとして誰が私を責められるだろうか。
しかし、よくよく考えてみると湧水が無くなって困る人がいるのだろうか?
上下水道が完備されて農業用水という訳でもない。
そう。誰も困らないのである。
そのうちに湧水の湧き出る量も戻るかもしれないし。
また、様子を見にこよう。
そして日和見た私はキュウリを強く握りしめながら帰路につくのであった。
続報が入り次第またレポートする!
じゃあまたね。