読者の皆さんはブーツのメーカーと言ったらどんなメーカーを想像するだろう。
「ダナー」、 「ティンバーランド」、 「GTホーキンス」、 「Drマーチン」……
もちろん、もっともっと沢山のメーカーがあるだろう。でも僕が知ってるのはこのくらい。
そして忘れてはならないのが、今回の主役 「RED WING(レッドウイング)」。
その歴史は古く、創業1905年と、100年以上続く歴史あるメーカーだ。
僕も「RED WING」のブーツを20年以上所有している。
当時、 巷で流行っていたこともあり、高校3年生の時に購入したのだ。
お年玉+父親に出資してもらって購入に至った気がする……確か価格は35,000円前後。
「俺でもこんな高い靴履いてないぞ」
当時、父親に言われた言葉だ。
自分で稼ぐようになり、子供に欲しいものを強請られる様になった今、胸に刺さる…
ごめんね。父ちゃん(笑)
実はこのブーツ、しばらく下駄箱に仕舞い込んだままだったが、急に履きたくなった。
理由は2つ。
①オートバイに乗る際、スニーカーでギヤチェンジすると足の甲が痛くなる
昔は何とも感じなかったのだが、去年10年振りにバイクに乗り始めたら、そう感じるようになった。
そこで、とりあえずは仕事用の安全靴で代用していた。安全靴の甲の部分には鉄板が入っているので、もちろん痛くは無い。
ただ服装に対して足元が強烈にダサいのだ。
②同級生が似たブーツを履いていてカッコ良く見えた
当サイトライターのタックルベリー氏(同級生)と仕事をした際、彼が僕のブーツと同じような色合いのを履いていて、それがカッコ良く見えた。体型もすらーっとしててカッコいいんだよなぁ彼は。
チッ、僕はこの20年で10キロ太ってしまったよ。
と言う訳で僕のブーツを復活させるため、
「ソール交換」+「メンテナンス」をすることにした。
十勝・帯広で「RED WING」と言えばここでしょう…
そう! 「NEWSCLIP(ニュースクリップ)」!!
平成6年の開店当時から「RED WING」の取り扱いをしていて、もう4半世紀経つそう。僕が購入した20年以上前もここで購入した。
まずは実際に僕のブーツを点検してもらう。
点検してくれるのは店長の柄澤さん。
僕 「ど、どうですか? 酷いでしょう?」
店長「……(苦笑)」
僕 「これ…直りますか?」
店長 「それは大丈夫ですよ」
僕 「おお!安心しました!ちなみに『RED WING』のブーツって、何年くらい履けるものなんですか?」
僕の質問に、柄澤店長は迷いなく言い放つ
「一生です(ドーン!!)」
僕 「一生?コレ『一生もの』ですかっ⁉」
僕が持っている物の中にも『一生もの』なんてあったんだ。
福山雅治の「5年モノ(CDアルバム)」は持っているけどね……なーんて、どーでもいい事を考えていると、
店長 「もちろんメンテナンス次第ですけどね。革が破れたり、芯が傷んでしまったら買い替えになりますがそれ以外なら大抵大丈夫です。過去には3回ソールを交換した方もいらっしゃるんですよ」
と教えてくれた。
てか、そんなに履けるって凄い。
当時3万円の靴って決して安くはなかったけれど、メンテナンス次第で一生履けるって思うと、決して高くないんじゃないだろうか。
店長 「それではお預かりします。納期は2カ月程みて下さいね」
ここ最近はずっと履いてなかったので2カ月なんてへっちゃらさ。
ついでに店内を色々見せてもらった。
お店には「RED WING」の在庫だけでも40種類以上あるそう。
ここまでの種類を置いているお店はそんなに無いそうだ。
確かにアウトレット直営店とかならありそうだけれど、色々なブランドを扱う靴屋さんが、同一ブランドのブーツだけでこんなに種類が豊富なのは、僕は見た事無いかも。
売り物に紛れて店長の私物が陳列されていた。
僕のヨレヨレのヘロヘロのブーツとは違い、コンディションも抜群だ。
店長 「6インチクラシックモックが正式名称ですが、モックトゥなんて言い方もします」
へー(驚)
てっきりアイリッシュセッターって言うのかと思っていた。
だって当時みんな「セッター」、 「セッター」言ってたもん。
浜ちゃんがアメカジ着こなしてセッター履いてたし、パフィーも揃って履いてたもん。(そんなの関係ないか)
店長 「共通して使われていたレザーの色や風合いが、猟犬のアイリッシュセッターを連想させたため、そう名付けられたようですよ。元々はワークブーツで、ハンターやファーマーに絶大な支持がありました。なのでアイリッシュセッターにも色々な種類があるんですよ」
なるほど。
そうだったのか。
店長 「本techさんのアイリッシュセッターもタグが付いていますが、一時タグが無い時期がありました。でも、要望が多かった様でタグが復活したんです」
正直、そんなにこのタグが必要と感じたことは無いけれど、確かに無いと寂しいかも。
ちなみにネットで調べてみたところ、アイリッシュセッターという犬種は別名レッドセッターとも言うらしい。
レッドウイング、 アイリッシュセッター、 レッドセッター…
なんとなく共通点があるような……勝手に自己解釈をして店を後にした。
2カ月経たずして電話があった。
店長 「ブーツ出来ました。めちゃカッコ良く仕上がりましたよー」
僕 「すぐ行きます!」
二つ返事で引き取りに出掛けた。
※ちなみに撮影及び取材は緊急事態宣言発令前に行いましたよ。
店長 「お待たせしましたー」
僕 「いやいや、真っ二つになっちゃってますけど!」
店長 「失礼、カットモデルでどこを修理したか説明しようと思いまして…」
僕 「あ…」
早とちり。ごめんなさい(笑)
店長 「改めて。こちらです」
「うおー!凄い良くなってる!」
今回、ソールの張替えついでに「黒ソール」に変更してもらった。
黒ソールと黒い紐でなんか引き締まった感じがする。
もう大満足!!
AR(拡張現実)で召喚する!
右上の「ARアイコン」をタップするとARモードが起動します。置きたい場所の床を認識すると3Dデータが表示されます。
※艶は再現できませんでした(汗)雰囲気をお愉しみください。
そして、ブーツのクリーニングとワックス掛けもしてもらった。
きっとその工程ややり方も色々あるんだろうけど、ズボラな僕は柄澤店長にお任せ(丸投げ)した。
店長 「メーカー問わずクリーニングとワックス掛けのみのご依頼でも全然大丈夫ですよ」
そ、そうなんだ。
店長 「うちは用品に拘ってまして。用品だけ購入されるお客様も多いです」
店長 「特にブラシに拘っています。馬毛と豚毛のブラシが一般的ですが山羊のブラシなんてのも置いてます」
知らなかった……ブラシってそんなに種類あるの?
ホテルの良い部屋なんか泊まると玄関にブラシあったりするけど、あれが上着用なのか靴用なのかも未だにわかっていない…
店長 「ワックスも色々あります」
本当だ…
店長 「実際の所、何をどう使ったら良いのか分からないですよね?なので気軽に相談して下さい。靴以外にも、バッグや小物類の相談にも対応します」
これは心強い。
店長 「ちなみにRED WING以外にもソール交換できるスニーカーもあります」
「PATRICK」と「SPINGLE MOVE」と言うメーカーはソール交換が出来るらしい。
…その昔、
「NEWSCLIP」さんの隣に「ポポロビル」があって、そのビル裏の中通り沿いに小さな小屋で靴修理してるおじさんがいたんだよなぁ…そういえばポポロビルには「BLUE HOUSE」もあったっけ。
店長 「当時、うちもNIKEの 『エアマックス 95』を定価で販売してましたね。15,000円だったかな」
今じゃ有り得ない(驚)
当時もその後プレミア価格になって、確か10倍くらいの値段になったんだっけ。当時の僕はナイキよりその横に並んでいたadidasの『フォーミュラ 1』ってスニーカーがカッコイイなと思っていたけど…って懐かしい雑談の中、つい感慨に浸ってしまった。
こんな他愛無い雑談もニコニコ笑って聞いてくれる柄澤店長に、せっかくなのでもう少しだけ質問してみた。
僕 「『NEWSCLIP』って店名の由来って何ですか?」
店長 「新しい話題はもちろん、流行・トレンドをクリップするような。クリップしたことで一目置かれるような、ニュースな話題を積み重ねてお客様により良い商品を提案できる、そんなお店だといいですね」
なるほど~。それでは、もう1つ!
僕が知る「NEWSCLIP」にまつわる都市伝説を伺った。
僕 「クミカンが使えるって本当ですか?」
※クミカン:組合員勘定の略で、農協回し決済の事。支払いをせずに商品を受け取り、地元の農協から請求される。また、その請求は農協預金口座から引き落とされる。農協組合員限定のサービスのこと。
店長 「士幌農協さんに限り使えます」
うおー!噂は本当だった!
僕 「どうしてそんな事が可能だったんですか?」
店長 「その昔、展示会に出展させて貰ったことがあるんです。随分前になりますが。そのおかげで士幌農協さんとお付き合いさせて頂いています」
何と。ビックリ。
店長 「バンに靴と展示する棚詰め込んで行きましたよーあはは」
靴屋さんが農協の展示会に出店するなんて面白い。
でも「RED WING」も元々はワークブーツだから関係なくもないのか?
しかし、昨今のコロナ禍によって、展示会というもの自体ほぼ中止になってしまった。早く元通りの毎日に戻らないかな…
最後に柄澤店長をパチリ。
店長 「まずはお気軽にご来店お待ちしております。靴の相談はもちろん、メンテナンス方法や用品の相談も随時受け付けております」
気さくな店長と信頼のおけるアフターサービス。
ネット社会の今日、ネット通販で購入すれば幾らか安いかもしれないけれど、そこには「NEWSCLIP」さんのようなアフターサービスは望めないなー、と改めて感じましたよ。
もちろん僕がまた「REDWING」を購入する時は、「NEWSCLIP」さんにお願いします。
でもなあ…これ『一生モン』だからな。次はいつになるかな(笑)
おしまい。
■NEWSCLIP(ニュースクリップ)
住所/北海道帯広市西2条南9丁目9
営業/10:30~19:30
定休/水曜不定休