ついに井戸を掘った話をしたいと思う。
随分前の事だから、ちょっとずつ思い出しながら書いていく。
そう、あれは2013年の秋。
僕が独立開業したのが2013年の春で、修理で預かった機械の洗車をするのにどうしても水道が欲しかった。
借りている作業場に水道を引くには、近くにある水道を分岐させるのがセオリーだ。
早速、大家さんの了解を得て、大家さん家(作業場の隣)の水道管付近を掘ってみた。ちなみに、経験のない作業だったので現職の水道屋さんと、元水道屋勤務のお客さんとの三人で作業した。
掘ってみると、まさかの鉄配管(泣)
鉄配管は触ってはいけないらしい。ちょっとスコップの先が当たっただけでも漏水する危険があるそうだ。
僕たちは掘った土をそっと戻した。
こうしてあっけなく水道を分岐する道は断たれた……
ならば地下水だ!
日本は水資源の豊かな国。掘れば必ず水脈に当たるそうだ。ただし、何m先にあるかはやってみないと分からない……そりゃそうだ。
地下水は一般的に水温の変化が少なく、大規模な貯水や取水の設備がいらないと聞く。
そして何と言っても水道代がかからない。
素晴らしい!
もうこれしか考えられない!
早速バックホウで掘る。と言っても、バックホウの経験もほぼ無いので、持ち主のお客さんにお願いした。 (懐かしい…砂利工事する前だ。こんな時期もあったっけ)
ひとまず限界まで掘ってみた。
溜まっているのは一応地下水なのだが、上水と言ってすぐに枯れてしまうそうだ。
(これでも1mくらい溜まっている)
そして大腸菌も多いらしい。
飲用はしない予定だが、少し心配だ。
このサイズのバックホウ(0.25立米)では、2.5mくらいまで掘るので限界のようだ。
しかし、地下水は大体5mくらい掘るのが普通なんだそう。
深いときは8mくらい掘るそうだ。
それだけ掘っても浅井戸と言うらしい。
深井戸となると20~30mを掘るのだそうだ。
いわゆるボーリング工事だ。
そこまでいけば天然のフィルターでろ過されて、きっと美味しい水なんだろうな。
そして、その先に温泉がある。
それはもはや開発だ(笑)
酷い絵だ(笑)
何が言いたいかと言うと、ここからはランマーを使うのだ。よく工事現場で舗装工事前の転圧に使うアレだ。この絵はそれを表現している…一応(汗)
これまた酷い絵だ。
探しては見たものの写真が無い。そもそも撮ってなかったか。それすら覚えていない。
何を表現したかったかと言うと、
ランマーをクレーンで吊るして鋼鉄のパイプを打ち込むのである。
ランマーの振動で打設するのだ。
1mくらいのパイプを打ち込んでは溶接して継ぎ足していく。それを何度か繰り返す。ある位置に来ると、水道屋の師匠が「ここら辺だな…」とつぶやいた。
確かパイプは5回継ぎ足し溶接したと思う。
パイプをねじ切りして、懐かしの手汲みのポンプを繋いだ。あとはひたすらポンピングする。
たしかお祖母ちゃんの家の庭にこんなのあったな。もちろん使ってはいなかったけど。
僕がまだ小さい頃で危ないから触るなと言われていたっけ。まさか30代になって初めて使うとは…
ひたすらポンピングする。
すると、そのうち…
やった!
水が出てきた!
水が出てもしばらく手でポンピングを続ける。
最初のうちは、砂が多くて無理に機械でやると壊れてしまうらしい。
良いところまで来たら水汲みポンプにチェンジ。もう肩も腕も足もパンパンだ(泣)
でも達成感やら嬉しいやら。その日の晩酌は最高だったに違いない。
時間が経つにつれ、どんどん水が綺麗になっていく。出しっぱなしにして2、3日放置する。ここで、水が出なくなってしまったら失敗だ。でも大体は、水脈が繋がって枯れることのない地下水になるそうだ。
そして、2020年。今現在。
近くの農家さんから土管を譲ってもらい(なんで持ってるの?笑)埋設した。
エンジンポンプから100Vの浅井戸ポンプを中古で購入し接続。
雪解けの時期などは水が寄ってポンプが水没する事件もあったが、紆余曲折を経て現在の形になった。
長いも農家さんからコンテナを貰って位置を上げた。
メッシュコンテナだから水が寄っても抜けてくれるので都合が良い。
事務所製作の記事の時にお話ししたが、その後倉庫内にも水道を引き込みした。
倉庫内での手洗い用に温水タンクも設置した。洗濯機も設置した。汚い作業服はここで予洗いして、家の洗濯機でもう一度洗うスタイルを確立した。
以上で井戸を掘る話は終了です。
これから井戸を掘ろうと検討している方は是非参考にして頂きたい。
飲用するには水質検査をしなければなりません。
また、下水道に流してはいけません。(例外の場合もあります。)
ルールを守って正しく使いましょう。
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