壮大なタイトルで今回は始まりました。
『じゃあトラクターじゃなければ何?』って声が聞こえてきそう。
ではお答えしましょう。それは「自走式スイートコーンハーベスターです」。
※ハーベスターとは収穫機械のことを言う。
この機械を使って「加工用スイートコーン(主に缶詰など)」を収穫する。
因みにスーパーなどで売っているスイートコーンは、手もぎ収穫ね。
でも実際にこの機械が使われていたのは、随分前のこと。
このマシーンのベースは2駆のトラクターなので、畑の条件が良くないと走行することが出来ずに苦労したそうだ。今日ではベースとなる車輛が湿地でも走行可能なクローラータイプ(ゴム製のキャタピラー)の機械へと変わった。
(説明はこの辺までとして本題に入っていきます)
僕がこの機械を手に入れたのは2021年7月のこと。
長い間、屋外で放置されていたので、セルモーターの固着でエンジンかからない状態。それに加えてクラッチも錆付き、クラッチペダルを踏んでいても走りだすという危険な状態だった。
では、早速このマシーンをいじってみる。
まずはセルモーターを外し、とりあえず使えそうな中古部品と交換。
続いて燃料系統のエア抜きをしたりしながら、何とかエンジン始動。クラッチが切れない危険な状態なので、安全な広い場所までゆっくりと移動させた。
元々このマシーンには収穫したスイートコーンを受けるためのダンプトレーラーを牽引している状態だったので、まずはそれを切り離した。たまたま友人がトレーラーを欲しがっていたので、トレーラーはそのまま友人宅へ運ぶことにした。
残ったマシーンは僕の作業場まで持ち帰り、前もって準備していたリビルトセルモーターと交換。
それから冬になり…春を迎え…
なんとかエンジンを始動し、トレーラーを外してトラックに積み込んだ
そしてゴールデンウイークを少し過ぎ十勝の春作業が落ち着いてきた頃、金属スクラップ屋に勤める友人から「今、鉄くずの買取価格が高いから大きいものがあるなら出した方が良いよ」と営業電話がかかってきた。
ならば!と思い、やっと重い腰を上げて、あのマシーンのハーベスター装置の取り外しにかかることにした。
繰り返しになるが、長いこと屋外で放置されていたので、ボルト類はそのほとんどが錆付き回らないので、ガスバーナーやグラインダーを駆使してボルトを切り落としていく。
スッキリした状態
最初より随分スッキリ。ここまでくるとようやく後ろから乗り込むことが可能になった。
そこそこ部品が外れたところで、いよいよトラクターからハーベスターの部分を切り離す作業に入る。
そのやり方は、ハーベスターを接地した状態でゆっくりとバックする…という単純なものだが、例によって順調には進まず、ここでも大トラブル発生。
まず屋根がぶつかる……外します。
次に前面ガラスがぶつかる……外します。
更にガラスを固定していたフレームまでもぶつかる……もう全部外します!(いい加減にしろ)
そんなこんなで、やっとこさトラクターとハーベスターを切り離しに成功!
だが、喜んでばかりはいられない。外した部品をすぐ元に戻さないといけない。戻し方が分からなくなる前に!
だって人間だもの。すぐ忘れちゃう。
なんとか切り離しに成功
「ん~素敵!」
嬉しくて思わず声が漏れちゃうな。
雰囲気はジョンディアの1930年代(戦前!)に製造されたモデルA型トラクターの様だ。本記事のタイトルの通り、ついにハーベスターからトラクターへ進化?いや退化?した(笑)
メインの作業が終わり、達成感に浸っていたが、このままもう少し作業を続けます。
元々、専用フレームにより前述のダンプトレーラーを牽引していたので、いわゆる一般的なスイングドローバー(牽引装置)やロアリンク(昇降装置)も付いていない。
フレームが無くなってしまったため、このままでは牽引することも、持ち上げることも出来ないトラクターになってしまったので、とりあえずスイングドローバーだけは以前部品取り車から外してあったものがあったので加工して取付した。
とは言っても、毎度の事ながら僕が何かに使用する訳じゃないんだけどね…(汗)
専用フレームを切り離し、スイングドローバーを装着
ロアリンクは付いていないから作業機の上げ下げには使用できないものの、これで牽引とPTO装置は使用できるようになった。
あとは、これまた以前に外してあった左右のフェンダーを付けて、取り敢えず一旦完成とした。
左右フェンダーを装着し純正部品が見つかるまではひとまず完成形になった
ジョンディアモデルA型トラクターの様に、コレクターズアイテムとは違うが、僕の中では充分満足だ。
だけど、強いて言えばFORD10シリーズのフォースⅡ用純正の安全フレームと屋根が欲しいなぁ。
これは読者のどなたかが、僕のためにいずれ部品取り車を譲ってくれることでしょう。
皆さまからの連絡をお待ちしております(笑)