社長がアップした癒される記事に心を痛めている人間がひとり。ここに。
タイトルどおり。
上士幌町清水谷で初出動した釣り竿をその日のうちに折ってしまったのだ。シマノ/テンカラロッドの新製品「メイストーンNW 36(故人)」の想い出をレビューする。
出会いは「つり具の釣人」
ウェーダーを買うついでに寄ったテンカラロッドのコーナーでシマノの新製品を見つけてしまう。しばらくリリースされていなかった気がするSHIMANOからのテンカラロッド。購入か否か、両手はすでに財布の中身を確認していた。
とはいえ購入後しばらくメイストーンは事務所でその出番を待つことになる。
※家でなく会社に置く理由について、わかる人にはわかるだろう。
木々に覆われた狭い河川を攻めることが多く、新品ロッドをわざわざ木にぶつけることもなかろうという考えもあった。今回の音更川上流・清水谷は釣り人に大人気。景観が素晴らしい開けたこの川で思い切り釣り竿を振りたい、満を持してメイストーンデビューである。
軽い、柔い、まとまらない
レベルライン、フロロカーボン3.5号。
約6メートル。
最初のポイントを狙い竿を振る、「軽いッ」。
自重70グラム。「渓峰LLS 36(故人)」「天平LLS 36(現役)」は73グラムだったが、数字以上に軽く感じる。柔らかいせいかキャスト時のトップが軽い。
竿を抑える人差し指への負担もほぼない、指先だけで持てそうである。これなら丸一日振り抜いても疲れないはず。
しかしラインがうまく飛ばせない。
慣れや技術不足、風も少しあったが、とにかくラインがまとまらない。ビョーンビョーンという感触が、過去に振ったどのテンカラロッドとも違う。
ポイントに毛鉤を“ビシッ”と撃ち込むのが好みだが、ラインは勢いを失ってヘナヘナと着水する。
そういえば「渓峰(故人)」のときもこんなことあったっけ。おそらくはラインの長さか。少し調整すれば、ポイントを「直線の軌道」で撃ち抜くのは容易に想像できた。
何度か“空振り”してタイミングを計る。「フライ感覚で楽しむ新たなテイスト ...」というキャッチフレーズに納得である。
抜き上がらない
※そのロッドで初めて釣った魚はロッドも一緒に撮影する→
キャストには苦戦するも魚(小ぶり)は思惑どおりに釣れる。楽しい。
ただ20cmほどのニジマスを掛けた際、“抜き上げ”ることができなかった。いつもなら30cm未満の魚を抜き上げるのは容易、無理して抜き上げることもないので岸まで寄せる。
折れたのは心
清水谷、いつものゴール地点までやってきた(このへん)。ちょうど日差しが柔らかくなったせいか、魚たちがバチャバチャとライズ(捕食のため水面に姿を現すこと)を始める。
全部釣るつもり。一番下流にいる元気なヤツから、食いやすそうな位置に毛鉤を流す。
一発でニジマスが食いつくのを見てフッキング(竿をアワセて針を掛けること)。
空から、「バギッ」と乾いた音が響く。何度聞いてもゾッとする…ロッドが折れる際に放つ断末魔である。
水面に流れる折れた部分を慌てて回収。ひとつじゃない、2カ所折れている。
ラインを手繰ると25cmほどのニジマスが申し訳なさそうに顔を見せた。
50-60cmのニジマスであれば武勇伝になったものを…。
わずか25cmのニジマスで新品ロッドを失ったこともショックであるが、一番の釣果が期待できるポイント・タイミングで“これ以上”釣ることができない事実に心が折れる。
タイトル/清水谷の暴れん坊 ~折れた竿を添えて~
納竿してスタート地点まで引き返す足取りは重い。
ショックだった。竿を折るほど鋭くなった自らのフッキングが…!!
※強烈なフッキングはロッドが折れる原因になるのでやめましょう。
現在まで4本、延べ5回。数多くの釣り竿を破壊してきたロッドブレイカーの私でも、初日に折るのは初めてのことで少し落ち込む。
この癒し記事のこの写真は実は帰り道、気を落とした中年男性の哀しい背中なのだ。
トカチニッチの更新ネタに困ったら後日談。