朝の気温が10度近くまで下がるようになってきた9月も後半。
私は今シーズン最後となるであろう家族キャンプの場所を決めかねていた。
週末が近付くにつれ天気予報とキャンプ場ガイドを見ながら、『ここも良いなー、あそこも良いなー』とキャンプ地を選定していた。
ふと息子(8歳)に『キャンプどこ行きたい?』とデタラメに質問してみた。きっと、これまで行ったことのある支笏湖(千歳市)やかなやま湖(南富良野町)を挙げると思っていたが、予想に反して『スナユが良い』と返答。その訳を聞いてみると…
・夏休みにまっちゃん(同級生)が行って楽しかったと言っていた
・地面を掘ったらお湯が出る
・ザリガニがたくさん捕れる
という情報を交えながら、息子による「砂湯キャンプ場」のプレゼンが始まった。
『…というわけで、スナユが良い』
私も砂湯キャンプ場(弟子屈町)はいつかキャンプしてみたいと思っていた。そしてまだ乗ってない屈斜路湖でカヌーが乗れるチャンス。たとえカヌーで体が冷えても掘った温泉で温まれる(たぶん)。季節柄、防寒対策をどうするかも悩んでいたので、暖を取れるというポイントは大きい。いつもの湖畔キャンプよりも楽しいイベントも多そうだ。
『おぉ、楽しそうだね!そこにしよう!』
『よっしゃ!』
こうして今年最後のキャンプは弟子屈町の砂湯キャンプ場に決定した。ナイスだ息子。よくやった。
ハンドルを握って3時間強。
砂湯キャンプ場に到着すると、伝説のクッシー(置物)が出迎えた。
捕獲すると1億円もらえるらしい。
味のある看板が気になるコラーゲンソフトクリーム(ピチピチピーチ味)。
見ている限り店頭ではバニラばかり売れているのに、ピスタチオが「定番」という謎。
9月も後半ということもあり、キャンプ場にはパラパラとテントが張ってある程度だった。我が家は希望通り湖の目の前にテントを張ることができた。
周りを見渡すと、それぞれテントの前に「マイ露天風呂(足湯)」を作り大人も子供も気持ちよさそうに浸かっていた。(中には半身浴出来るぐらい深く掘っている猛者も)
早速、持参した剣先スコップで砂を掘ってみるとすぐにお湯が湧いてきた。温度はかなり高めでそのままだと熱い。掘る場所によって温度も違うらしく、『湖の水を少し混ぜると気持ちの良い温泉になるよ』と、隣にテントを張っていたベテランキャンパーが教えてくれた。
こうして我が家のテントの前にマイ露天風呂(足湯)を作り終えた。
さて、次はザリガニを捕まえよう!と、息子が早速アミを持って湖に入った。
『捕れた!!よっしゃ!!』
と息子が喜んでていたのでアミの中を覗いてみると2cmくらいの小魚が一匹入っていた。
『ザリガニじゃないんかい!』
とベタなツッコミを入れていると、それを見ていたある家族が声を掛けてきた。
『あのー。ザリガニいります?』
我が家と入れ替わりで帰るところだったようで、捕まえたザリガニを譲ってくれた。4匹もいたので、息子の用意していた小さい虫カゴはザリガニで一杯になった。息子の捕った小魚はザリガニのエサとなった。
そしてザリガニ釣りのため用意していたあたりめは私のエサ(酒のあて)となった。
来て早々に、目的としていたイベントが次々とクリアされたので、次はお待ちかねのカヌー。(そう。ここはカヌーレポートのページです)
せっせと出艇準備をしていると、すでに嫁は湖に向かって竿を振っていた。
今日も我が家は釣る気満々。
先日作ったカヌー専用GoProマウントを持ってきたので、今回はいちいち記録を気にする必要なし。撮りっぱだ。
カヌーに乗ってまず驚いたのが水の透明度だった。これまで然別湖(鹿追町)や支笏湖(千歳市)の透明度がスゴイと思っていたが、屈斜路湖もなかなかの透明度だった。ルアーを追っかけてくる魚がはっきり見えるので釣りをしていて盛り上がる(だが釣れない…なぜだ?)。
息子はクッシーを釣り上げて「Nintendo Switch」を買う予定だったが、残念ながら今回はその夢は叶うことは無かった。
日が暮れるギリギリまでカヌー(釣り)を楽しみ、夕日が沈むなか焼肉を楽しみ、今にも落ちてきそうな星空の下、焚き火とお酒を楽しんだ。あーキャンプ最高。
翌朝。
日が昇る前に目が覚めたので1人で焚き火の前でコーヒー飲みながら暖を取っていると、程無くして隣のベテランキャンパーも起きて来た。
するとズボンの裾を捲り上げ、イスごとマイ露天風呂に浸かって、早朝の湖を楽しみだした。こ、これが正解なのか!!
ゆっくりと朝食を済ませてから、時間の許す限りカヌーを楽しんだ。魚はいないことはないのだが、この砂湯キャンプ場付近は水温が高いので春先(まだ気温が低い頃)に魚が集まるポイントだった様だ。
テントを片付け帰り支度を終えると、私たちはこれからテントを張る子連れの家族を見つけ
『あのー。ザリガニいりません?』
と言って昨日もらったザリガニを託しキャンプ場を後にした。
(つづく)
ここでは十勝でひっそりとカナディアンカヌーを始めた記録をレポートしていきます
■ 砂湯キャンプ場
北海道川上郡弟子屈町美留和