しかし、人々が動物園に求める3大要素といえば「空いている」「ゾウがいる」「飼育員さんが可愛い」というのが私のなかで主流になりつつある時代の中で、おびひろ動物園は見事にそれらをクリアしている。
人々から愛されたローカル動物園、と言っても過言ではない。
※2020年3月追記/ ゾウのナナちゃんは2020年3月4日に死亡しました。雌としては国内最高齢の59歳でした。
そんなおびひろ動物園だが、ニッチに楽しむ方法がある。それは、「夜」だ。
夜の裏側探検隊
帯広市のウェブサイトにて「夜の裏側探検隊」なるものが募集されていて、気軽に応募してみたのだが、どうやら当選倍率4~5倍という人気イベントだったようだ。裏側探検隊は季節ごと、春・夏・秋・冬と開催されているが、夜に実施しているのは夏だけだ。
それだけに夏は人気イベントとなっており、応募が殺到するそうだ。
今回、大人の力は使わずに、純粋に応募し、純粋に当選した筆者。
写真撮影OK、参加者が映っていなければSNSやブログもOKとの事で許可をいただいたので、9月1日に訪問した、その様子をレポートさせていただく。
集合時間は18時半ということだったが、家から近すぎるが故に早く着いてしまった我が家。
待っている間に始まったのは「心霊写真ごっこ」。
肩のところに手が!
「中でお待ちください」
「はい・・・」
正門を入って左側、「動物園センター」に会議室があり、そこで当選者は一通りの注意事項を聞き、外へ出てみればかなり暗くなっていた。
2班にわかれ、筆者の含まれるグループが最初に向かったのはホッキョクグマ舎。
アイラー!
我らがアイドル、アイラちゃんの登場で、一同、一気にテンションがあがる。
園長さんが差し出すホッケをパクパクと食べるアイラだが、ホッキョクグマは園の中で最も凶暴な動物だそう。
そんなアイラの人気はトップクラスで、誕生日には高級な果物がたくさん届くそう。
いいな、アイラ。高級スイカ「でんすけ」とか、俺はゼリーのやつしか食べたことないよ・・・
次に向かったのはゾウ舎。
北海道の動物園で唯一の展示となっているインドゾウの「ナナ」が、鼻で園長さんと握手。
鼻だけかなーと思っていたら、バッコンと重そうな扉を開いてナナ全身登場!
デカイ!踏まれる!というほどのディノクライシス感。
園長さんは「間接飼育」と呼ばれる、柵越しのスキンシップをとることができるが、実は動物園での事故といえばゾウが一番多いらしく、最も気をつけないといけないらしい。
昔、おびひろ動物園ではナナの園内散歩もしていたらしいが、停めてあった車をナナがボコボコにする事件があって、それ以来、散歩はやめたとのこと・・・
次はカンガルー舎。
昼のカンガルーは「居間で寝っころがりながらテレビを見てるオッサン」にしか見えないが、夜はみんな活発に動いているのだ!
カンガルーの赤ちゃん。
かわいい。
右のカンガルーはきっといつも喧嘩を売ってるのだろう。パンチが入っている首元が赤くなっているのがわかるだろうか。
最後に向かったのはビーバー舎。
生まれたばかりのチビーバー「ビービー」と「ダブ」がお目当てだ。
ストレスがかかるので、飼育員さんの持つ赤いフィラメントをかぶせた懐中電灯だけで見る。肉眼では見えるが、カメラではこれが限界だ。すまない。
ビーバーも夜行性なので、活発に動いているところを見るなら少なくとも15時以降がおすすめ。
帰るころにはすっかり真っ暗になっていた。
そんなこんなで、終わったのは20時ころ。
いやー、面白かった。
興味のある人はあと1年待って応募してみてほしい。
今回レポートしたのは「夜の裏側探検隊」だが、おびひろ動物園では「夜の動物園(夜間開園)」というイベントも行っている。
こちらは抽選ではなく、7月末〜8月頭の夏休み期間に21時まで開園する日があるのだが、この日ばかりは動物園がいい感じに混雑する。
特に、夜景の見られる観覧車は絶好のデートスポットとなっていて、びっくりするくらいの長蛇の列となり、錆びれた遊具はライトアップでノスタルジックな雰囲気を醸し出す。
機会があれば来年はこちらをレポートすることにしたい。
おびひろ動物園、夏期開園は11月4日まで。
最近行ってないなというあなた、入園者数をキープするためにも是非、訪れてほしい。
そ、そんなところからも手がぁっ!